【犬と子供】小さな子供と接する愛犬のどこを見れば危険を読み取れるのか

生態・行動
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子供が犬と一緒にいるときは、目を離さないようにしなければならない、とはよく言われることです。「どんなにフレンドリーな犬でも噛むことがある」ことは、(時に忘れてしまうこともあるけれど)飼い主さんなら知ってはいることです。

それでも事故は毎年起こり、被害者には未成年者も含まれます。小さな子供を巻き込まないために、親や飼い主はどんなことに気をつけるべきなのでしょうか。

犬のメッセージを受け止めて、先回り行動を

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image by smerikal / Flickr

米国では、咬傷事故により病院で手当てを受ける人は年間約80万人。この半数を0〜9歳の子供が占めるという状況です。日本は米国とは状況が異なり、未成年被害者は少なく[1]、家族に牙が向けられケースも少ないようです。

2014年の咬傷事故件数4,364件のうち、飼い主以外が占める割合は約95%。事故状況を見ると、犬はけい留運動中(リードをつけてお散歩など)であることが最も多く(1343件)、被害者は通行中が最も多いとのこと(2222件)。であれば、私たちが最も注意すべきはとすれ違いざまの事故ということになります。親や飼い主といった立場にある私たちが、犬が発するシグナルをもっとよく理解して、事故を未然に防ぐ対策を取ることが必要です。

ただし、ワンコ家族を持たない方に「犬のボディ・ランゲージについて学んでおけ」というのは少し荷が重すぎるかもしれません(他にやることが一杯あるのですから!)。すべての人が犬のシグナルを見極めて、危険な行動をとらないようにすることが理想ではありますが、そこまで求めるのはちょっと難しいところ。ここは犬の飼い主側が犬の心を読み未来を予想して、先回り行動で安全を確保しましょう。

すべての人に学んで欲しい〜犬のボディ・ランゲージ

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ワンコから近づいてくれるのを待てるかな? image by Mario Antonio Pena Zapatería / Flickr

愛犬を「かわいい」と言ってくれたり、可愛がってくれようとする人には、飼い主さんも好感を抱き交流してほしいと思うもの。でも、犬たちは「嫌だな」と思っているのかもしれません。

飼い主さんはどこに注目すれば良いのでしょうか。そのポイントは以下のとおりです。

1. 犬の体と呼吸〜柔らかさ、ゆったり感はある?

いつもと異なった様子、例えば固まっているということはいませんか?身体がほぐれ、尻尾がふわりと動いているリラックスした状態でなければ、注意が必要です。

さらに、呼吸の様子にも注意して、体をかためて息をハァハァ(息を止めている)しているようなら、介入の必要ありです。

2. 相手の行動〜犬が嫌がることをしていない?

馬乗りになる、耳やシッポを引っ張る、頬をめくる(タルタル頬のワンコ)、体を突くなど、犬の嫌がる行動をとる様子なら、即介入を。面白いから、可愛いからと云って様子見をすると、取り返しのつかないことにもなりかねません。特に、撮影などに勤しむ飼い主さんは、要注意です。

3. 犬のストレス・シグナル〜愛犬の癖を覚えておこう

一般的なストレス・シグナルは、あくびをする、ムーン・アイになる、鼻を舐める、首を掻くなどがありますが、個体によってどの行動を取りやすいかは異なります。普段の様子から、「いやだな」のサインを覚えておいて、早めに判断できるようにしておきましょう。

4. 犬の回避行動〜犬が自分から近づかないようならNG

犬はどうしても苦手な人や物には近づかないもの。可能な限り犬に選択肢を与え、自ら近づいてもらうようにしましょう。お子さんがワーッと駆け寄ってきてしまう場合には、飼い主が間に入るか、小型犬なら抱き上げて事故を防ぐようにしましょう。

5. 犬の音声シグナル〜唸る、吠えるは危険信号

「このコは吠え癖がある。いつも唸り声を上げている。でも噛むことはない」という信念は捨てましょう。吠えやすい犬種もあれば、警戒心が強いコもいますが、人と触れ合わせようとする場合には強いメッセージだと捉えるべし。犬は、唸り声を上げてもダメだと思えば、次の咬むという行動に出ます。声は最後通牒のようなものですから、即時介入を。


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