【自らを傷つける犬】飼い主死去によりホームレスになった犬、保護施設に馴染めず

暮らし
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飼い主が死去したことにより保護施設で生活しなければならなくなった犬が、ストレスから自傷行為をするようになったという英国のニュースです。

自分が亡き後も、犬たちに幸せな暮らしを送ってもらうために、私たちは何をすべきなのでしょうか。

どうしても施設に馴染めないアメリカン・ブルドッグ

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”野良犬”として保護された犬は、行き場を失った犬でした。

アメリカン・ブルドッグのルイ(Louie、4歳)です。保護された後にこの犬が、飼い主が死去したために家を失ったワンコであることがわかりました。どこの犬であるのかは判明しましたが、一緒に暮らすことができる人はいなかったのでしょう。彼は保護施設であるBirkenhead Council Kennelsで生活するようになります。

しかし、ルイは施設での生活にどうしても馴染めません。主人を失った寂しさと、慣れない環境からくるストレスが、ルイを異常行動に駆り立てます。回る、よだれを垂らす、吠える、床を食べようとする…。そして最近では、自らを傷つけるほどの異常さで自分の尻尾を噛んだり舐めたりし始めているということです。

施設での生活をスタートして、すでに6か月。職員の心配も日に日に高まっています。動物行動セラピストによる集中トレーニングを受け、「トレーナーと飛んだり跳ねたりしている」と元気なところも見せているようですが、一方で職員は「彼には安心できる環境が必要」とコメントしています。「施設での生活は非常にストレスが多いもの。慣れない上に、非常に忙しく様々な音がします。こうした環境に慣れることができない犬は一定数いるのです」

愛らしいルイは、現在家族を募集中。力の強い犬に対応できること(飼育経験等)、そして一定時間を犬との交流に充てられる人を求めているといいます。ルイが家族に再び巡り合えることを、願ってやみません。

犬だけを残して逝くことは、十分にあり得ること

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私たちは与えられた命の長さを考えて、犬を見送ることばかりを考えてしまいがちです。しかし、予想もしない事故や災害、病気などで犬だけを残して逝く可能性も十分にあり得ることなのです。一人暮らしの人はもちろんですが、家族がいる場合でも、家族旅行で事故に遭ってしまうことも絶対にないとは言い切れません。

Pet Finderは、”不測の事態への備え”として、以下の提言を行っています。

  • 少なくとも2人の”緊急保護者”を見つけておく。友人か親戚で、一時的にでもペットのケアができる人を探しておくと良い。鍵を預ける、食事やケアの注意事項やかかりつけ動物病院(獣医師)の情報を共有するなど、必要事項をまとめておく
  • ”緊急保護者”に、ご近所、友人、親戚に何匹のペットがいるのか(それぞれの名前)を伝えておく。”緊急保護者”どうしが連絡を取り合えるようにする
  • お財布の中に緊急連絡先などをまとめた”緊急連絡用カード”を入れておく
  • ドアや窓に、家の中にペットがいることを知らせる掲示をする。ペットの種類、何匹いるのかがわかるようにするため(※)

※ ステッカーではなく、手書きまたはオリジナルである方が良いと記載されている。はがし忘れたステッカーと判断され、見過ごされる恐れがあるとのこと。ステッカーを利用する場合には、なるべく頻繁に貼り替えて”現役”であることを示したほうが良いかもしれない。


何かがあった時、一時的にでも面倒を見てもらえる人がいるというのは、心強いものです。家族になってもらうのは無理だとしても、あなたの代わりに愛犬の一生を見守ってくれると考えれば、心残りも少しは軽くなるのではないでしょうか。

ルイのような不幸な犬を増やさないためにも、残していくことを想定した備えもしっかりとしておきたいものですね。「私はこんな備えをしているよ!」、「こんなアイディアあるよ!」という方は、是非hello@woofoo.jpまでお知らせください!

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] This dog is so sad with life in kennels he’s begun to self-harm – Liverpool Echo
[2] Providing for Your Pet’s Future Without You – Petfinder

Screen capture from This dog is so sad with life in kennels he’s begun to self-harm – Liverpool Echo

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