カナダの裁判官が、今年8月に行われた犬の親権をめぐる訴えを棄却した件について、その決定文書を公開しました。
「犬は素晴らしい生き物である」から始まる15ページの文書は、この事案を担当したRichard Danyliuk裁判官が作成したもの。「家族として扱われている犬は多い。しかし結局のところ犬は犬。法律においては財産である。法律のもとでは家族の権利はない」
事の始まりは、16年の結婚生活に終止符を打った夫婦の夫側からの訴えでした。夫婦で飼っていた2匹の犬を自分で育てたいと主張したのです。
これに元妻は猛反発。妻側は「夫は猫好き」であるから、自分を9歳と2歳の愛犬の親権者と認め、元夫には面会権を与えてほしいと求めました。
Danyliuk裁判官はこの訴えに、犬は法律のもとでは家族ではなく財産であるから、面会権を認めるのは馬鹿げていると判断。このまま法廷での争いを続けるのであれば、裁判所が犬の売却を命じて収益を分配するなどの悲劇的結末を招く恐れもあることを警告しました。
裁判官はペット動物について、虐待や飼育放棄を防ぐための法的保護の対象となる点などから、他の財産と異なることを認めています。一方で、動物に親権の原則を適用する点については、線引きをしなければならないと述べています。
また裁判官はこの訴えを「裁判所の貴重なリソースの無駄遣いである」とも述べています。「このような問題に裁判所の乏しいリソースを割くのは無駄である。こうした訴えには、がっかりさせられる」
犬たちは、離婚に関する問題が解決をみるまで、妻の両親の家に居候することが決定されたそうです。
h/t to Judge rules dogs should not be treated like kids – Saskatchewan – CBC News
Featured image credit Jen Rusby / Flickr
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