バランスのとれた食事と同様に、犬の健康に非常に大切な役割を果たす水。生体構成成分のおよそ60〜70%を占める水がなければ、犬の体は正しく機能できません。
カラダの中での水のはたらき
身体を正常に機能させるためには水が必要です。体の水分が10%失われると健康が脅かされ、その状態が持続すると臓器(腎臓・肝臓など)が閉塞し始めて、生命の維持が難しくなります。
水には、栄養素を身体の中で運搬し流通させ、細胞に出入りさせる作用があります。物質を溶解し化学反応を円滑にすることから、食物の消化を助け栄養の吸収を助けます。また、身体を冷やす働きをして一定の温度を維持するように働きます。
水はまた、関節の動きを円滑にし保護する役割も果たします。脊髄及び他の内部組織も水分によって保護されています。老廃物を運び、身体から排便及び排尿により除く役割もあります。
適量を適切に与える
愛犬の健康を保つためには、適切な量の水を適切に与えなければなりません。
犬は、食事と一緒に水分を摂る生き物です。食材にはおおよそ80%ほどの水分が含まれていますから、かつては生の食材を摂ることにより水分を補給できていたのです。しかし、現代ワンコの多くはドッグフードを食べており、食事と一緒に摂る水分は圧倒的に不足しています(ドライフードに含まれる水の量は5~10%ほど)。飲料水が重要とされる理由は、こんなところにもあります。
必要な飲料水の量は、愛犬の種類や大きさ、運動量、天候、食事のタイプ、健康状態、飲ませている薬剤などによって変わります。条件を細かく考慮せずざっくりとの目安でいうと、健康な犬が1日に飲む飲料水の量は、体重500gあたり30~35ml程度です。
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もし、飲料水の不足や病気が心配されるのなら、1日に与える水を正確に測ってみることをオススメします。定点観測してみるのも良いでしょう。この時に尿の様子に変化がないかも、併せて確認するとさらに愛犬の変化がよくわかります。一般的な目安との比較より、以前と比較してどうだという変化を気にする方が、我がコに合わせた対策を練ることができますよ。
なお、水を異常に飲む場合は、病気の兆候であることも少なくありません。愛犬の様子の変化を見守りましょう。
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犬も脱水症になる
水分補給が適切でない、または水分が過剰に失われた場合、犬も脱水症を起こします。脱水症とは、体液量(体内の総水分量のことで水分と電解質が含まれる)が不足した状態です。腎臓疾患、代謝障害(糖尿病など)、癌に罹患した犬や、妊娠中・授乳中の犬は脱水症になりやすいので、普段より注意が必要です。
身体に水分が不足している犬は、様々な脱水症状を呈します。猛暑の日中のお散歩中なら、すぐに気づいてあげられそうですが、乾燥した冬や調子が悪くて水分を摂れない時などは、判断が難しいものです。そんな時は、皮膚と歯ぐきの状態を確認してみましょう。以下のような状態が見られるなら、水分不足が疑われます。
- 肩甲骨あたりの柔らかい場所の皮膚を引き上げ離した時、元の位置に戻るまでに時間がかかる
- 歯ぐきが乾燥しているのに、糸を引くほどにネバネバしている
愛犬に水分不足が疑われる場合で、工夫をしても飲んでくれないなどの様子が見られるなら、獣医師さんに相談しましょう。目には見えない何かが、愛犬の身体の中で進行しているかもしれません。
Featured image credit Rawle C. Jackman / Flickr
猫はエレガントに、犬は知的に水を飲む〜犬は物理の法則を使って水を飲んでいる | the WOOF
今日は、犬たちが水を飲むメカニズムについてのお話です。 犬も猫も、舌を使って水を飲みます。一見すると似通っている犬猫の水飲みですが、そのメカニズムは実は大きく異なっています。