平たい顔には訳がある〜犬の顔の長さに影響する遺伝子が特定された(研究)
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長い鼻、潰れた鼻、小さい頭、大きなお顔。犬の頭蓋骨は驚くほどバラエティに富んでいます。これは選択的繁殖によるものとされていますが、どの遺伝子がどう影響しているのかについては殆ど明らかになっていませんでした。
一体何が、犬の頭蓋の形状を豊かなものにしているのでしょう?最近発表された研究によれば、SMOC2という遺伝子の変異が、大きな影響を与えているようなのです。
最も平たい顔はパグ、長い鼻はコリー
頭蓋骨の形状は、哺乳動物の様々な種において、かなり一貫した傾向があるものです。種は、外的環境、食生活、呼吸器ニーズを満たして生存するもので、頭蓋の形もまたこれらのニーズを満たして生存可能性を高めるために自然に形作られてきました。しかし犬は、選択的繁殖により自然を歪めた形で進化したため、様々な頭蓋骨を有するようになったという訳です。
犬の頭蓋骨に関してのこれまでの研究では、遺伝的要因からの分析は殆ど行われていませんでした。エジンバラ大学(University of Edinburgh’s Roslin Institute)の研究者らが行った今回の研究では、374匹の犬について遺伝子情報と頭蓋骨の形状及び測定値を比較することで、頭蓋骨の形状に関連した遺伝子変異についての新し洞察が得られています。
研究者らは、大学の付属動物病院(the Royal (Dick) School of Veterinary Studies)の患畜である374匹(純血種及びミックス)について、DNAサンプルの摂取及びCTスキャンなどによるデータの収集を行いました。頭蓋の形状を正確に測定するため、スキャンデータは3Dモデルとして再構成され、分析と解釈が行われました。身体の大きさを縦軸に、顔の形を横軸にとってプロットしたところ、体が大きくなるにつれ短頭種に分類される犬は少なくなることがわかりました。またこの分析により、最も平たい顔というか短頭の犬はパグであり、もっとも長い鼻を持つのがコリーであることも判明しました。
頭蓋骨の成長に影響するのはSMOC2遺伝子
さて、ここからが本題です。研究者らは整理したデータに基づき28匹を”短頭犬”と特定し、これら犬のデータを他の319匹のゲノムと比較しました。そして頭蓋形成に影響する遺伝子がいくつかあること、そしてその中でも最も影響が大きい(およそ36%ほど影響がある)のはSMOC2遺伝子であることが判明しました。SMOC2遺伝子は、魚やマウスの頭蓋形成に影響するものと言われており[2]、同じことが犬にも当てはまるのではないかということです。すなわちSMOC2を抑制すればするほど、犬の顔は平たくなる可能性があるというわけです。
短頭症の犬が生まれる原因を特定することができれば、(必要があるかどうかは別として)犬の顔型のコントロールはもっと簡単にできるようになるのかも知れません。あるいは、これらの発生を抑制し、健康上の問題を抱える犬の誕生を抑制することに繋げられるのかもしれません。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Marchant, T. W., Johnson, E. J., McTeir, L., Johnson, C. I., Gow, A., Liuti, T., … Schoenebeck, J. J. (2017). Canine Brachycephaly Is Associated with a Retrotransposon-Mediated Missplicing of SMOC2. Current Biology.
[2] Study Identifies the Likely Genetic Mutation Responsible for Smooshed-Faced Dogs
Featured image credit rpavich / Flickr
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