太めのお腹に悩んでいるワンコさん(と、飼い主さん)、注目です。
アメリカはオハイオ州に住むデニス(Dennis, ダックスフンド、6歳)がダイエットに成功したニュースはご存知でしょうか。56ポンド(約25kg)あった体重を13ポンド(約5.9kg)まで減らしたそうです。
超肥満犬だったデニス
飼い主のバートン(Brook Burton)さんがデニスと出会ったのは、大叔父の家に掃除の手伝いに行った2013年のこと。何かがノロノロと近づいてくると思ったら、なんとそれは犬。与えられるピザやハンバーガーなどの人間用の食べ物で、でっぷりと太ってしまったデニスだったのです。
「獣医からは、あのまま大叔父の家で暮らしていたら、余命1ヶ月だったろうと言われました。それに、デニスはひどい脱水症状があり、耳と体は感染症にかかっていました」とバートンさんは振り返ります[1]。
ドイツが原産国であるダックスフンドは、アナグマ猟に適した犬として、昔から重宝されてきた犬。利口で明るい性格で人気があります。サイズはミニチュア、スタンダード、カーニンヘンと3つに分かれており、スタンダードの標準体重は9~12kgです。25kgのデニスは明らかにオーバーサイズ。おデブだったころは元気がなく、いつも気分が悪そうだったのだそうです。
飼い主さんとの努力が身を結ぶ
Dennis' third surgery, Posted by Dennis' Odyssey: Health, Wellness, Awareness & Education on 2015/2/15
バートンさんは犬が大好きで、高校生の頃からドッグレスキューとして活動していたのだそうです。しかし、ダックスフンドと一緒に暮らすのは初めてで、犬種や性格について一緒懸命調べたのだそう。もちろん、食事や運動といった健康的な生活についてのイロハもしっかり勉強したのだといいます。
「イヌ」と一括りにせず、品種や個体に真剣に向き合ったことが、成功への架け橋となったようですね。バートンさんがダックスフンドのママとして成長するにつれて、デニスはどんどんスリムになっていったそうです。
デニスさんは「特別な食事を与えたのではなく、彼女が信頼していたブランドのフードを与えただけ」と語っています。食事のコントロール(カップ半分のドライドッグフードを1日2回)と適切な運動で、無理なく退場を落とすことができたのだとか。
ただ、脂肪を減らしたことで皮膚がたるんでしまったので、これを除去するための手術が必要になりました。なんと、自分の皮膚につまづいてしまうほどの弛みで、デニスはそれを恐れて歩きたがらなくなったそうです。
肥満犬の撲滅のために立ち上がる
デニスの復活には、多くの人の協力がありました。手術費はクラウドファンディングと募金があったからこそ、デニスはスリムで健康な体を取り戻すことができたのです。
ブルックさんとデニスは、肥満のリスクを啓蒙する活動を通じて、協力した方への感謝の気持ちを伝えようとしています。手術を受けたオハイオ州立大学付属動物病院を通じて”Dennis’ Legacy基金”を設立し、肥満で健康な生活ができない伴侶動物のための募金活動をスタートしたのです。
基金はまだ立ち上がったばかりですが、将来は専門家による食事のアドバイスやリハビリテーション、運動の指導を低コストで提供できるような活動をしたいと計画しているそうです。
Facebookページ”Dennis’ Odyssey: Health, Wellness, Awareness & Education“には現在のデニスの様子、そしてペットの肥満に関する情報が掲載されています。痛々しい手術後の写真もあります。肥満の恐ろしさを知るためにも、ぜひ一度ご覧になってください。
3回の外科手術を乗り越えて、今は元気に走り回っているデニス。人と遊ぶのが好きで、いつも遊び相手を探しているのといいます。
ワンコを幸せにしてあげるのは飼い主さんの務め。お食事をコントロールしたり、運動に付き合ったりといった「肥満にしない努力」は、ワンコさんを幸せにする第一歩なのかもしれませんね。
[1] Dennis the Dachshund Sheds 43 Pounds : People.com