肉食だろうと雑食だろうと、犬はいろいろなものを食べることができる。そう考えれば、栄養の摂取に関する限り、人間と同様に考えてもよいのかもしれません。すなわち、一日に摂取するカロリーが適切でなければならないということ、そして、その量は年齢、運動量、健康状態によるということです。
犬の場合はこれらに加え、品種によっても考え方を変えなければなりません。
太りやすい品種はどのワンコ?
どうやら太りやすい品種のワンコさんはいるようです。猟犬にすることを目的として交配された犬は長時間の労働に耐えうる体となる(たくさんの運動が必要になる)でしょうし、寒い地域に住む犬は脂肪を蓄えやすい身体になるよう繁殖されているでしょう。
- 小型犬:パグ、ケルン・テリア、ダックスフンド、スコティッシュ・テリア、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- 中型犬:ビーグル、コッカー・スパニエル、バセット・ハウンド、ダックスフンド
- 大型犬:ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ロットワイラー
- 超大型犬:バーニーズ・マウンテン・ドッグ、ニューファンドランド、セント・バーナード
セント・バーナード・・・。おデブになったら大変そうですね↓↓↓
肥満には要注意の10品種
上にあげた品種のうち、特に要注意の10品種について説明を加えます。なんとなくぽっちゃりがお似合いの品種もありますが、やっぱりスリムのほうが健康を維持できるようですよ。
・パグ
パグってぽっちゃりしていて可愛いよねと思っちゃいますよね。可愛いです。でも、おデブなパグは深刻な健康問題を抱えていることが多いのも事実。マズルが短いことから上手く呼吸ができなかったり、体温調節が上手でないことから、飼い主さんが運動を制限しがちです。致し方ないことですが、運動量が少ないならばお食事はコントロールしてあげなければなりません。
・ダックスフンド
超有名な元おデブ犬のデニスもダックスフンド。長い胴と短い脚が特徴的なこの品種は、おデブになってしまうと生活そのものを脅かすおそれがあります。太りやすいだけでなく、椎間板障害も引き起こしやすいのです。小型犬だと運動はほどほどでよい、と思ってしまいがちですが、ダックスフンドは元は猟犬。エネルギーいっぱいのワンコなのです。たくさん運動させる必要があります。
・バセットハウンド
ユーモラスな外見(ごめん)に似合わず、優秀な猟犬であるこの品種は、毎日かなりの運動量と食事制限が必要です。おデブになってしまうと元気がなくなってしまうそうなので気をつけて。
・ビーグル
スヌーピーよ、お前もか・・・。犬らしい犬であるビーグルは、とっても食いしん坊。放っておくと運動量が足りないのに食べ過ぎ、となってしまいがち。今日でも猟犬として活躍するコもいるくらい、アクティブな犬であることをお忘れなく。脂肪腫ができやすい犬種ともいわれています。ポコっと膨らみを見つけたら、獣医さんに相談してくださいね。
・コッカースパニエル
アメリカンでもイングリッシュでも、コッカースパニエルといえば山でのお仕事に従事する犬。飼い主さんに可愛がられる素直で穏やかな性格ゆえ、猫かわいがりされてしまいおデブになりやすいとか。ここは心を鬼にしてください。
・イングリッシュ・ブルドッグ
太っているのがデフォルトでしょ、と思われがちなブルドッグ。いえいえ、実は健康なコはスリムなのです。心臓や肺、関節の問題を抱えているのは、大概がおデブなコ。ゆったりとした生活を好む品種ではありますが、食事制限と適切な運動は必要です。増えた体重を戻すのが非常に困難な犬種だということも記憶しておいて。
・ジャーマン・シェパード
なんとなく太らない体質だと思っていたジャーマン・シェパードさん。警察犬のイメージが強いからでしょうか。おデブになると肘関節や股関節の形成異常など、さまざまな病気になりやすいそうです。病気の予防と心得て、たくさんのたくさんのトレーニングと運動をさせてあげてください。
・ゴールデン・レトリーバー
大人気のゴールデンも、太りやすい品種です。落ち着いた生活を好むコが多く、お家にいることが好きなのだそう。だからといって、エクササイズをしなければおデブまっしぐらです。品種食事を選り好みしない食いしん坊たちなので、ここは心を鬼にして、厳しい食事制限と、毎日の運動を習慣づけたいところです。
・ラブラドール・レトリーバー
こちらも愛され品種のラブラドール。愛されキャラはぽっちゃりなのか?と思ってしまいますね。後ろ姿が砂時計型(腰のくびれがあること)でなければ、ダイエット宣言をしなければダメ。ゴールデンと同じく何でも食べまっせという皆さんなので、たくさんの運動量が必要です。トレーニングのご褒美は、できるだけヘルシーなものを選択しましょう。
・ロットワイラー
かっこいいイメージのロットワイラーですが、太りやすいのだそうです。実は、動きがゆったりとしていて、おすわり上手なワンコであるため、普通に生活すると活動量が少なくなりがちなんだとか。太りやすいけど、絶対に太らせてはならないのがこの品種で、甲状腺異常や股関節形成異常などの疾病につながりやすいのだといいます。運動量が少ないのなら、お食事量をコントロールしましょう。
品種によって、太りやすいとかなりやすい病気があるとか、なかなか奥深いワンコの世界。知れば知るほど、興味は尽きません。そのうち尻尾が出てくるのではないか、という気もしてきています。
とにかく、可愛くてもゴハンのあげすぎはNG、ね!
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