犬は様々な”寝相”で眠るもの。くるりんぱと丸くなって眠るのには、どんな理由があるのでしょう?
実は快適ではない丸まり寝
身体を丸めボールのように(あるいはアンモナイトのように)丸まって眠る犬たち。実はこの形は、安らかな睡眠のための理想的な寝相ではないのです。犬の筋肉は、この丸まり形を維持するために緊張しているため、完全にリラックスした状態(レム睡眠)に入ることはありません。
可愛くて微笑ましい丸まり寝は、彼らの先祖が寒さを避け、潜在的な脅威から身を守るために身につけた眠りの姿勢だと言われています。現在でも、外で眠る必要のある犬や、野生のコヨーテやオオカミは、この形で眠る姿が多くみられます。
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寒さをしのぎ、潜在的な脅威から身を守る
現代ワンコは、柔らかくて暖かなベッドやクッションが与えられていますが、野生動物にクッションはなく、土を掘っただけの巣穴や快適ではない草のベッドしかありません。
そうした環境では、自分の身体を自分に巻きつけて、快適さを確保するのが生き抜くための最良の方法です。豊かな被毛は、チクチクする草のベッドの不快感を和らげてくれるし、鼻を尻尾のフカフカに押し込むことで、身体の熱を保つことができます。
くるりんと丸くなる形は、腹部という脆弱な臓器を捕食者から守ってくれます。また、丸くなることで作られる”洞窟のような”空間は、犬の心に安心感をもたらしてくれます。
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現代ワンコも安心を求めて丸くなる
さてそれでは、現代ワンコたちはなぜ丸くなって眠るのでしょう。フカフカのベッドを所有する恵まれたワンコなら、さらなる暖かさと安心感のためであり、安全を感じられない場所で眠る犬ならば、寒さと不安を緩和する理由で丸くなると考えられています。前述のとおり、丸まり寝は完全なるリラックスの形ではないため、完全に快適になると、別の睡眠姿勢をとることもあります。
もし愛犬が、いついかなる時もどんな場所でも丸まり寝をするのであれば、彼/彼女はストレスや不安を感じているかもしれません。起きている時に十分な活動(散歩や遊び)ができているか、睡眠環境がリラックスできるものであるかを確認してみると良いでしょう。
しかし、私たちが様々に姿勢を変えて眠るのと同じく、犬も好みに応じて形を変え眠りにつきます。丸まって寝ていたからといって問題があるわけではありません。そして、本当にこの姿勢が好きな犬もいます。丸まって寝ているときにでも、少々の刺激では覚醒せず、ピクピクと痙攣したり、尻尾がゆらゆらしていたら、しっかりと休めていると考えても差し支えないでしょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Why Does My Dog… Curl Up in a Ball When He Sleeps?
[2] Why Do Pets Sleep Curled Up in a Ball? | CANIDAE®
[3] Why Do Dogs Curl Up – Wag!
Featured image credit Lisa Risager / Flickr
【犬と睡眠】寝相が語るイヌのこと〜愛犬の状態を教えてくれる10の睡眠姿勢 | the WOOF イヌメディア
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