韓国の裁判所「食用のために犬を殺すことは違法」

世界の犬事情
この記事をシェアする

韓国 富川(ブチョン)市の裁判所は4月、「食用のために犬を殺すことは違法」と判断し、市の養犬場運営業者に対して有罪判決を下しました。

動物保護団体のケア(Care)は昨年、市の養犬場運営業者を相手どり、彼らが正当な理由なく動物を殺害したこと、および建築・衛生規則に違反したことについての訴えを起こしていました。これを受けた検察が経営者の男性を起訴し、今回の裁判所の判決に至ったという流れです。市の裁判所は、「食用に供することは、犬を殺す法的な根拠にならない」として、男性に300万ウォン(約30万円)の罰金刑を言い渡しました。

有罪判決を受けた男性は、控訴権を放棄したと伝えられていますが、食用犬の団体は裁判所の決定を「極めて不快」とし、「最後まで戦いぬく」と宣言しています。

韓国政府、ペットの福祉政策を担う新部門の設立を発表 | the WOOF イヌメディア

犬食が文化として深く根付く韓国には、約1万7千匹の犬の養殖場があり、毎年およそ100万匹の犬が食用になると言われています。若い人を中心に、犬食に意を唱える人も多くなってきてはいますが、この慣習を禁止することに対しては、これまではあまり積極的ではありませんでした。

韓国の法律では、残虐な屠殺は禁止されていますが、犬食自体は合法とも違法とも言い難い領域となっています。また、国民の意識も複雑で、昨年の調査では約70%が犬の肉は食べないと答えたものの、この慣習を禁止すべきと答えた人は約40%にとどまっていました。

しかしこの潮流にも変化がみえつつあるのかもしれません。5月には犬を大量に繁殖飼育する”犬工場”を違法とするための立法案が示されました。与党民主党の議員は、食べるために犬を殺すことを事実上禁止することを目指す法案を提出しています。

ケアの弁護士キム・ギウン氏は、今回の判決について「食べるために犬を殺すこと自体が違法であるとする最初の裁判所の判決であり、非常に意義深い」と述べており、この判例が犬肉の消費を完全に禁止するための道を拓いたものと高く評価しています。

ケアの代表であるパク・ソヨン氏は今後、全国の養犬場と屠殺場を調査し、同様の訴えを起こしていくとしています。「犬肉産業は、今回の判決によりさらに批判を浴びることになるだろう」

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Killing dogs for meat ruled illegal by South Korean court | World news | The Guardian
[2] South Korean court rules it’s illegal to kill dogs for their meat
[3] South Korean farmer prosecuted for killing dogs for meat in ‘landmark case’

“殺人犬”集団、子供を襲う〜13人が死亡(インド) | the WOOF イヌメディア

インドの、ウッタル・プラデーシュ州シータープルで、野生動物による子供の殺害が多発しています。 最初の報告があった昨年の11月以降、約半年の間に殺された子供の数は13を数え、子供たちは学校にも通えない状態が続いています。 “殺人犬”の子供たちへの攻撃は、インドの地方都市であるシータープルの住民を恐怖に突き落としました。 …

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを知る > 世界の犬事情 > 韓国の裁判所「食用のために犬を殺すことは違法」

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ