パグのガンジー空を飛ぶ~『ブルーム・オブ・イエスタデイ』

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皆さんこんにちは! WOOFOO天国出張所勤務、パグ犬のぐりです。

学校では秋の運動会や学芸会などなど、行事に大忙しの方も多いのかな? 地上での飼い主Nさんは、子どもの運動会は春だったけれど、秋は音楽会シーズンで、「練習しなきゃいけない曲があふれとるー(泣)」と言っていました。あ、Nさんは一応チェロ弾きでもあるんですね。

第二次世界大戦の傷を受け継いで

ブルーム・オブ・イエスタディ DVD

さてさて、今回はDVDをご紹介しますね。『ブルーム・オブ・イエスタデイ』(監督クリス・クラウス 出演:ラース・アイディンガー、アデル・エネル 2016年 ドイツ・オーストリア)はドイツ映画。久しぶりに英語ではない映画を観たなあ。舞台は現代のドイツ。税金で運営されているホロコースト研究所で働く男性・トトは、ある日フランスから来た若い女性の研修生・ザジの指導を任されます。トトの祖父はナチスの戦犯、ザジの祖母はユダヤ人で、第二次世界大戦時にドイツ人に殺されました。

この二人が出会った研究所。主任教授はある時亡くなってしまうのですが、その教授が可愛がっていたのがなんとパグ!ガンジーという名前のパグ犬なのでした。すっごくかわいいの!物語の冒頭から登場するからよく見てくださいね。それで、教授亡きあと、このパグのガンジーはトトの家に引き取られます。トトの奥さんが獣医だからっていうのもあったのかもね。

自由奔放すぎてびっくり

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screen capture from 『ブルーム・オブ・イエスタデイ』パグのガンジーの本編映像 – YouTube

さて、ザジはなんというか、トンデモ女性です。そして、トトもトンデモナイ男性なの。それは映画を観てくれれば、最初のシーンから納得してくれると思うけど。トトはとにかく変わり者で、職場の同僚に喧嘩をふっかけて大けがをさせるわ、暴言を吐くわ。人付き合いが苦手で、ひとことでいえば、偏屈? 一方のザジもその言動は不思議ちゃんそのもの。話し相手をたきつけたり、平気でうそをついたり。この人虚言癖?と思うくらいでした。

この研究所は、“アウシュビッツ会議”を開催しようと準備をしていました。教授が存命中から準備をしていた大事な会議です。しかし、登壇する候補者がなかなか首をたてにふってくれません。トトもお願いに行きましたがだめでした。そこで、他のウィーン在住の候補者を説得すれば、もう一人も出てくれるのではとなり、トトとザジは2人でウィーンへ交渉に行くことに。この旅の最中から二人の関係が変化し始めます。

何かとトトの内面に入り込もうとするザジに対して、それまでは分厚い壁を作って突き放してきたトトでしたが、破天荒でありながらどこか天真爛漫なザジの言動に影響されてか、この旅の途中に自分の秘密をザジに告白します。そこから二人は男女の関係に。旅から帰った二人はある決断をするのですが、しかし…

パグがほっこりさせる

実はトトの祖父とザジの祖母は戦前、とあるつながりがありました。世代を超えて出会ったトトとザジは、そうした過去を抱えながらお互い攻撃的になったり求めあったりと、複雑な関係を作っていきます。

とにかくなんというか、不思議な映画でした。でも、パグが、そう、パグのガンジーが、こうしたシリアスな内容の中でほっこりさせてくれる役回りを演じているのです。パグが人に友好的であることが、よーくわかる映画です。Nさんは「久しぶりにパグの“いびき”を聞けて大満足!」とかなんとか、パグマニアコメントをしていました(笑)。

ハリウッド映画など、わりとわかりやすい話の展開でハラハラドキドキする作品とはひと味違った、というかかなり違ったハラハラドキドキを味わえる映画です。とにかくザジが次になにをしでかすのか、見ているこっちは気が気じゃないというか。そしてそれは、最後の最後のシーンまで続き、見ているほうを裏切りません。

ドイツ語の響きも美しく、要所要所に出てくるさまざまな国の情景も、そしてバックに流れる音楽のセレクトも最高です。秋にぴったりかも。ぜひご覧になってみてくださいね。

screen captures from『ブルーム・オブ・イエスタデイ』パグのガンジーの本編映像 – YouTube


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