犬が私たちとコミュニケーションをとる方法は多様です。顔の表情、ボディランゲージ、そして声によっても気持ちを伝えてきます。
犬たちはどんな時に鳴き声をあげるのでしょうか。
犬が鳴き声をあげる理由
1. 何かを必要としている
犬は感情的になって”泣く”ことはありません。鳴くのは、コミュニケーションのひとつの手段です。健康な犬が鳴く最も一般的な理由は、何かが必要であなたに何かをして欲しいからです。お散歩、ゴハン、あるいは遊び。大切なオモチャがソファの下に入って取れないのかもしれません。犬たちは過去の学習から、鳴き声をあげると良い結果がもたらされることを知っています。
注意しなければならないのが、頻繁にリクエストされるのがトイレという場合です。外でのトイレを済ませたばかりの時に「もう一度」とクンクン鳴くようならば、膀胱や消化器に問題を抱えている可能性があります。この場合は動物病院での検査をオススメします。
鳴き声があなたを困らせるほど頻繁になってしまう前に、この行動はやめさせた方が良いでしょう。要求鳴きを止めたい場合は、犬の鳴き声への反応をストップし、無視することです。ただし、本当にピンチに陥っているとき（オモチャが取れないときを含む）には助けてあげた方が良いでしょう（判断が難しいところですが…）。
2.あなたの注意を引きたい
犬はあなたの注意を引こうとして、クンクン鳴くことがあります。他の家族とばかりしゃべっているとか、テレビに釘付けになっている時に赤ちゃんのようにクンクン鳴くなら「僕のことを見て！」「私も仲間に入れるべき！」と思っているのでしょう。
あまりにも頻繁に「注目して！」と鳴かれることのないように、クンクン鳴きの時は注目せず、静かにしているを狙ってナデナデしたり話しかけてあげると良いでしょう。
3. ストレスを感じている
ストレスによっても、犬はクンクン鳴くことがあります。恐怖や不安といった精神的なストレスから、特定の代謝性または腺性の崩壊、毒性物質への暴露などの環境ストレスまで、様々なストレッサーが考えられます。
鳴き声をあげるタイミングで、呼吸が早くなったり、震えたり、パンティングがみられたら、犬はおそらく何かに恐怖を感じています。分離不安の犬なら、しばしば破壊的行動もみせるでしょう。
ストレスの原因を特定し、それを取り除くことで解決を図ることはできますが、分離不安や恐怖反応の場合は解決までにしばしば時間とスキルを要します。この場合は、早めに獣医師や専門のトレーナーに相談することをオススメします。
4. 痛みがある
痛みもストレスの一つではありますが、ここでは別項目として取り上げます。外科手術の後、あるいは疾患に夜急性の痛みに苦しむ犬は、しばしば鳴き声をあげます。関節炎などの慢性の痛みのときは、普段の生活では鳴き声をあげませんが、ベッドにうずくまる時や朝起き上がる時、階段やベッドの上り下りの時に声をあげる犬もいます。
痛みがある犬は、食欲不振や元気がなくなるなどの他の症状も見られます。鎮痛剤などで痛みを緩和することもできますので、獣医師に相談してみましょう。
5. 認知機能障害
代謝や腺の異常、神経学的な問題および認知機能に問題があるときも、犬は鳴き声をあげることがあります。この場合は、好きだった活動（散歩や遊び）などへの関心が薄れてきたり、飼い主が認識できなくなったり、空間認識が上手にできなくなるなどの兆候も、共に現れます。
過度の鳴き声への対処法
まずは獣医師に状況を説明し、身体が健康であるかを検査してもらいましょう。できるだけ正しい診断を得るために、犬の普段の様子をメモや写真、動画に残しておき、それを元に説明するようにしましょう。過度の鳴き声が健康問題なのか行動の問題なのか、早い段階であたりをつけるうえで役に立ちます。
行動の問題と考えられるときの最善の方法は、原因の特定とそれを減らすような訓練をすることです。報酬ベース（リワードベースド）のトレーニングを通じて、犬に「もっといい行動がある」ということを教えましょう。不安や恐怖からの行動を別の不安や恐怖で抑えつける”しつけ”は、一時的に鳴き声を止ませるかもしれませんが、問題の悪化や深刻化、別の問題の発生を引き起こす原因にもなりかねません。
鳴きの正確な原因は容易に特定できるものではありません。判断のポイントは鳴き声以外のサインを同時に見ることです。恐怖が犬を支配しているときの行動の修正は非常に難しいので、この場合は獣医師や行動の専門家の助けを求めてください。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Why is My Dog Whining All the Time?
[2] How Do I Stop My Dog From Whining?
Featured image creditNathaniel Bowman/ unsplash
