犬たちはときに、睡眠中に苦しそうで悲しそうな鳴き声をあげることがあります。
身体はピクピク、目もピクピク。これに鳴き声まで加わると、「大丈夫だろうか?」と心配してしまいますよね。
こんな場合私たち飼い主は、犬を起こすべきなのでしょうか。
なぜ犬は寝ているときに鳴くのか?
まぶたがピクピクしたり、走るように脚を動かしたり、ときには本当に起き上がって走ったり…。犬たちも人間とおんなじで、ただただ黙って寝るわけではありません。イビキをかいたり寝言を言ったり、ときにはクンクンと鳴くこともあります。
このときの犬は、夢をみているのだろうと考えられています。本当に夢をみているのかははっきりとはわかっていませんが、ブリティッシュ・コロンビア大学のスタンレー・コレン博士はブログの中で、2001年のラットの研究(睡眠中のラットの脳が夢をみていると結論づけてもおかしくない働きをみせることを報告)を根拠に「犬もまた夢をみると推測することは理にかなっている」とコメント。くわえて、「犬はよくする活動について夢をみる」ということも述べています。
クチャクチャペロペロしているなら、美味しいオヤツの夢をみているかもしれません。脚をパタパタするのなら、大好きなボールを追いかけていると想像しても良いでしょう。
でも、クンクン悲しく苦しそうに鳴くときは?彼らは悪夢をみているのでしょうか?
それは悪夢か、いい夢か?
Petfulでは、愛犬がいい夢をみているのか悪夢をみているのかは、次のような兆候で判断できるとしています。
- 悪い夢:(比較的大きな)唸り声、鳴き声、苦しそう
- いい夢:ピクピク、蹴り、静かな寝言
この判定基準は科学的根拠のないものですので、「まぁ、なんとなくそんな感じかも」くらいに受け止めていただければと思いますが、愛犬に”悪い夢”をみている兆候がみられたらちょっと心配になってしまいますよね。
寝ているときに苦しそうな様子をみせる犬は、「大丈夫?!」と起こすべきなのでしょうか?それとも”let sleeping dogs lie(寝た子を起こすな)”というように、そのままにしておくべきなのでしょうか。
「寝た子を起こすな」は本当か?
悪夢をみているようなときも、起こす必要はなさそうです。ペットフード会社Canidaeは、せっかくの睡眠を中断させることになるとして、「起こす方が犬にとってよくない」とコメントしています。Pets4homesも、「たとえ悪夢をみていたとしても、犬は睡眠サイクルを完了する必要があます」と起こすことには反対の立場をとっています。
あまりにも苦しそうな場合で、飼い主の方が耐えられない場合は、落ち着いた声で愛犬の名前を呼んで、穏やかな覚醒を促しましょう。大声で叫んだり揺さぶったりすれば、犬は恐怖を感じ、ときに攻撃的になることもあります。
- 愛犬を平和な眠りに導くために、心地よいベッド、大好きなオモチャ、あなたの匂いのついたシャツや毛布などを用意してあげましょう
- もし、愛犬が過去につらい経験をしたのであれば(そして他にも行動の問題がみられるのなら)、獣医師などの専門家に相談しましょう
- 発作でないかどうか、念のため確認しましょう。発作を起こしている犬は、呼吸が異常に早くなり、ときには呼吸困難にもなります。身体は硬直することが多く、けいれんを伴うこともあります。身体はリラックスし呼吸が穏やかなら、脚がピクピクしていても大きな問題はないでしょう
- 悪夢をみる暇がないほどに、愛犬たちに楽しい記憶を残してあげるようにしましょう。たっぷりの愛情、たくさんの運動、安心できる寝床は、犬たちにいい夢をみせてくれるでしょう
もし犬が悪夢にうなされているように見えても、無理に起こすのはやめましょう。病気などが懸念されるなら、その様子を録画や録音したうえで、獣医師に相談することをお勧めします。
ワンコたちよ…いい夢みてね✨
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