ノーズワークとは、探知犬の仕事をゲームに仕立てたドッグスポーツです。ゲームの中で犬たちは、誰の助けも借りることなく自分の鼻だけを使って、隠されたニオイを探さなければなりません。
ドッグスポーツというと、少し縁遠いように思う方もいらっしゃるかもしれません。お金がかかりそうとか、時間がかかりそうとか、うちの犬ビビリだし…とか。
大丈夫。ノーズワークはあまりお金はかからず、どこででも出来て、小さなコでも大きなコでも、ヤングもシニアもビビりでも、どんな犬でもできるスポーツです。
「本当に誰でもできるの?」「うちのコでもできるの?」って腰がひけている方のために、すでにノーズワークを楽しんでいる人たちの声を集めてみました!ぜひ読んで、ひけた腰をぐいっと前に押してみてください。きっとあなたのワンコも(そしてあなたも)、ノーズワークにはまっちゃいますよ!
まずはシニア・トイプーのノエルのお話から。いつもはラブリーなトイプーさんも、ノーズワークでは猟犬のよう!かっこよくニオイを探し当てます。
「ノーズワークするよ!」で、いきいきスタンバイ
ノエルママさん & ノエル(トイプードル)
おやつ探しからはじめましたが、だんだん人の匂いを探し当てる、足跡をたどること等々に発展させていきました。屋外でも風の向き等が違えば難易度もかわるし、奥が深いなぁとハマっていました。何よりノエルが嬉しそうに探し当てるので、何よりと思っていました。
そんな時、ノーズワークという課題があるセミナーがあることを知り、参加しました。
セミナーで学んだのは、今までの単なる遊びから更に発展したもの。匂い探しという点は同じでしたが、よりノエルの自主性も、ノエルと私のコミュニケーションも必要だと感じました。そして、犬の声なき声を聞くこともノーズワークの魅力だと感じました。
シニア犬のノエルとのコンビ。まだまだ読み取れないことも多いですが、「ノーズワークするよ❗」と声かけすると、生き生きとスタンバイ状態になるノエルに笑顔になってしまいます。今後も楽しんでいきたいと思います。
次は、「体に大きな負荷をかけるスポーツは出来ない」という 雑種犬やんばるのお話。飛んだり跳ねたりはちょっと無理というワンコも、走るのはちょっと苦手という飼い主さんも、ノーズワークならたっぷり楽しめます。
地味に見えるが、やってみるとエキサイティング
近藤奈緒子さん & やんばる(雑種)
うちのコは和犬の雑種なのですが、子犬の頃から両後脚の膝関節のハマりが浅く、体に大きな負荷をかけるスポーツは出来ないのですが、運動欲求も作業意欲も高くて活発なタイプです。
元々、普段のお散歩中、茂みや草むらの中に埋もれた野球やテニスボールを探し出すのが得意だったので、嗅覚を使って探すことは、教えなくても大好きなことでした。
ノーズワークを始めてみた所、得意なことで褒められたり報酬を得られることはとても嬉しいらしく、イキイキと張り切って楽しそうに取り組んでいます。
また、ノーズワーク競技会で求められるルールを少しずつ知って、ルールに沿って出来るように教え方を工夫したり、様々なテクニックを学ぶ中で新たな発見も沢山ありました。
ターゲット臭を覚えさせることができれば、場所を選ばず楽しめるので、家の中やお散歩途中など様々な場所で隠し方のバリエーションを工夫してマンネリ化しないように隠し方を考えてみたり、出かけた先で面白いサーチを突然閃くのも私自身の楽しみになっています。
最も気に入っているののは、体に負荷をかけず何歳になっても続けられる点と、犬の自主性を引き出す能力と犬を読む能力が求められる点です。
コマンドを使わず、犬を信じ、犬を読む。この独特のおもしろさを感じています。
一見とても地味なので伝わりづらいかもしれませんが、やっていると、かなりハラハラドキドキワクワクします。
見えない匂いの世界を想像し、犬の行動や反応を見てその理由を考えたり、自分の行動に気をつけたり、静かな作業の中に沢山求められる要素があって人も犬と同じくらい頭を使って楽しむことができます。
スンスンと匂いを嗅ぐ時の音を聞きながら真剣に懸命に集中している様子を見ていると、同じように集中し真剣な気持ちになりますし、ターゲットを見つけた時の反応が読めると、嬉しくなると同時に、毎回新鮮に感激します。
嗅覚で探す行為は犬の持つ本能なので、犬自身が取り組みの中で気付いていくことも多いようです。要領を得た後は、自然に嗅覚の使い方を研ぎ澄ませていくようにも感じます。嗅覚を使い脳を使うことで、エネルギーも消耗するらしく、終わったあとはよく水を飲んでいます。見つけた後のご褒美目的で頑張ってはいるものの、見つけること自体も大きなご褒美になっているようです。
また、他のペアが取り組んでいる様子を見ていると、人と犬の個性が顕著に現れている点も非常に興味深いです。
まだ始めたばかりで、ノーズワーク競技会を経験していないのですが、競技会に出始めてからが本当に楽しいと聞いたことがあるので、今後チャレンジして、もっと愛犬と共に夢中になって楽しめたら良いなと思っています。
お次は、「普段はみせない”自信家”の一面を見せる」というパピヨンのサンデーのお話です。クンクン大好きな嗅ぎたがりワンコは、才能を見事に開花させています!
犬が自分で自分の能力を育んでいく
塚元由美さん & サンデー(パピヨン)
サンデーは、子犬の頃から匂い嗅ぎの好きな犬でした。
散歩に出れば、ぴょこたんぴょこたん飛び跳ねては草や側溝、時にはゴミの中にまで顔を突っ込んで匂いを嗅いで口に含んで…。
音のするものに対しても目で追い近づき、嗅いでから安全か否かを確認しているようでした。そして、自分で確かめた後は、警戒が自然に解けていくようでした。
サンデーの”嗅ぎたがり度”は、先住犬と比べても抜きん出ていました。サンデーの様子をみるのが楽しくて、初めて遭遇するものに出会ったときも「五感を駆使して確認してみればいいだろう」くらいの気持ちで、気楽に散歩を楽しんでいました。時には植え込みの中から鳥や虫のの死骸を咥えてくるなど、楽しすぎることも何度かありましたが。
そんなとき、ノーズワークセミナーがあることを知りました。
参加前は、サンデーには難しいのかなと思いました。サンデーは嗅ぎたいものを嗅ぐことは大好き。でもノーズワークは特定の匂いを嗅ぐというもの。ちょっと難しいかなぁとも思いつつ、物は試しで参加してみることにしたのです。
大丈夫でした。サンデーはセミナーのときにアロマ臭はわかったようで、「これだ!」という仕草も見せてくれました。
ここで気をよくしたのは飼い主です。
探すのを待つだけ。
探したら褒めてあげるだけ。
ハマりました。
他のトレーニングだと、自分の方が熱くなってきてコマンドでつい萎縮させてしまうことがあるのに、ノーズワークは余計な指示は要らない。
探した瞬間に「すごい!」「天才!」(笑)
緊張状態皆無で、探しに行ける範囲も広がってきたように感じています。
最初の頃は本当に探せているのだろうか、また、探したとしてもわたしがわかるのだろうか?そんな不安を持ちながらでした。慣れてきても、探しているのをうっかり見過ごしてしまうこともありました(意欲を削いでしまったのかも…!)。でも、月に数回開催していただいてる練習会に参加するうちに、徐々にサンデーのサーチの様子がわかるようになってきたように思います。
ポーカーフェイスのサンデーですが、探し当てたときはとても自信家の顔つきをしてくれます。
トリックを教えていて完成形になったときの達成感も楽しいのですが、嗅覚を使うことはサンデーが自身で覚えていったと言えますよね。「これだけはかなわないなー」とついつい笑顔になってしまいます。
ノーズワークの魅力はいつでもどこでも手軽にできるところでもあるのですが、わたしにとってはサンデーが自分自身で達成感をつかまえてくれたということと、意思疎通ができつつあるなとわたしが実感できるところにあるのではないかと最近は思うようになってきました。
サンデーのブームはまだまだ続くよって感じです。
トリを飾ってくれたのは、ガンドッグという競技にも熱心なラブラドール・レトリバーの こころです。より鼻を使うようになったとのことで、他のドッグスポーツにも良い影響を与えることがあるようです。
水を得た魚のように、いきいきと取り組んでくれる
横山郁子さん & 誠人さん & こころ(ラブラドール・レトリバー)
黒ラブこころ、9歳です。ずっとガンドック(ダミーを回収するもの)をやって参りました。犬本来の能力、嗅覚を使うノーズワークを知りチャレンジしてみる事にしました。
回を重ねる事に こころ自身が、水を得た魚のように、活き活きとやる姿にこちらも嬉しくなりました。ガンドック時、こころのダミーの捜し方にも変化が現れた気がします。足で走り回って捜していたのが、より鼻を使うようになりました。人犬共にこれから年を重ねても、ずっと楽しめるノーズワーク始めて良かったなと実感してます。
いかがでしたか^^。「楽しそうだな」「うちのコでもできそうだな」と思っていただけたでしょうか?
「やってみたいな」と思ったら、ぜひ「ノーズワーク クラス」や「ノーズワーク セミナー」などで検索して、話だけでも聞いてみてください。
「もうやってるよ!」「オススメだよ!」というあなたは、ぜひぜひSNSなどで楽しさを発信してください。投稿の際にはハッシュタグ「#ノーズワーク」をつけてくださいね。たくさんの人の目にとまりやすくなります。
6月に清里でノーズワーク合宿を行います!
6月15日(土)〜16日(日)の1泊2日。個別指導、練習競技会のほか座学あり、ゲームありの盛りだくさんスケジュール。BBQ懇親会もあり、イヌもヒトもたっぷり楽しんでいただけます。
詳細はこちらをご確認ください。ご不明点は主催者(Scent Line)までどうぞ。