今日のうちのコ、いつもと違うな・・・。
そう感じることはありませんか?ただのお疲れかもしれないけど、もしかしたら、心配事や不安を感じて憂鬱になっているのかもしれませんよ。
ストレスは犬の健康と幸福に影響
あなたが思っている以上に頻繁に犬はストレスを感じています。ストレスによって健康が脅かされるおそれがあることは、人間と同じです。ストレスは免疫抑制を引き起こし、そのために癌や感染症、変性性疾患のリスクを増大させます[2]。そして、ストレスを受けたために抑うつ状態に陥ることもあります。やはり免疫系が抑制されて、疾患にかかりやすくなってしまいます。
注意すべきは、犬たちがストレッサー(ストレスを引き起こす物理的・精神的因子)に対して示す反応がそれぞれ違うということです。ストレスに強いワンコもいれば、そうでないワンコもいます。そして、何が彼らにとって大きなストレスになるのかは、個体によっても大きく異なります。
ストレッサーには、大きな音や気候・気温などもありますし、痛みや物質への反応、さらには怒りや苦しみなどの心理的なものもあります。原因がわかればそれを取り除いてあげて、ワンコの苦しみを和らげるができますよね。
早めの対策をとるためには、犬たちが出す「つらいよ〜」というサインを見逃さないこと。ワンコたちはつらいとき、以下のような症状を呈して私たちに助けを求めてきます。
犬たちが発するストレスサイン5つ
1. 下痢、便秘、またはその他消化器系の不調
消化器系の不調は、病気や消化不良が原因のことが殆どです。ですが、不安なキモチが下痢や便秘などにつながっていることもあるのです。もし下痢、便秘、その他の消化器系の不調が長期にわたって続く場合は、劇的な症状がなかったとしても獣医さんに相談してください。下痢が24時間以上続く、下痢便に血が混ざっている、嘔吐や排泄物に血が混じっているときはすぐに病院へ。
2. 食欲減退
犬は私たちのように、断食やダイエットはしません。ご存知のとおり、ワンコたちにとってお食事やオヤツは人生の楽しみの大半を占めているといってもよいものです。もし食欲が突然なくなる、または全く食べなくなってしまったとういうことがあれば、獣医さんに意見を求めたほうが賢明です。ストレスからくる拒食の症状かもしれません。いわゆる拒食症(完全に食事を拒否、または殆ど食べない)になると、劇的な体重減につながり、栄養の摂取ができなくなります。
3. 孤独
犬の中には、ひとりでいることを好むコがいますし、ひとりでいる時間を必要とするコもいます。しかし、常に人や他のペットと離れているコは、不安感に苦しめられているか恐れがあります。社会化が十分でないこともあるでしょう。念のため獣医さんに相談し、一緒に原因を探ってみましょう。
4. 睡眠時間の顕著な増加
健康なとき、ワンコさんがどういう睡眠習慣をもっているのかを、認識しておくとよいでしょう。いつもに比べて睡眠時間が長いとか、過度に無気力であるように見える場合は、獣医さんに相談を。健康状態が思わしくなければ睡眠習慣に悪影響を及ぼします。無気力は体調不良、心的・身体的外傷を受けたときに見せる症状だということをお忘れなく(ワンコは、基本的には遊び好きです)。
5. 人や他の動物への敵対行動
人や他の動物への敵対的な行動をみせることは、ストレスや体調不良のサインです。事態が深刻化する前に、かかりつけの獣医さんか犬の行動の専門家に相談しましょう。歯をむきだす、うなる、咬む(威嚇)、腰を下げ尻尾を下げて低くうなる(恐怖)などの敵対行動をみせたり、敵対行動と服従の姿勢が同時に現れるようならば赤信号が灯っています。けがや病気などがなければ、不安や怒りを抑えるための対策を検討しましょう。生活の見直し指導や行動療法、そして薬物療法など、専門家が解決策を示してくれますよ。
犬のストレスを減らすには
どんなことであっても、いつもと異なる行動をするのであれば要注意。
- 病気や怪我じゃない?:全身をさわってみたり、視力(目の前で指を動かしてみる)や聴力(よびかけ)の確認をしましょう
- アソビ不足じゃない?:お散歩や運動不足だと、ワンコもやる気がなくなってしまいます。お天気が悪い日が続くときには、モッテコイ遊びなど家でもできる遊びを工夫しましょう
- 逃げ込む場所求めていない?:一般的にワンコさんは、暗くて狭い場所を好むもの。恐怖を感じたとき、一人になりたいときのために、いつでも逃げ込める安全地帯を用意してあげましょう。
- お食事は栄養に配慮してる?:犬の好むオヤツやフードもよいけれど、必要な栄養が足りているのか、もう一度見直してみましょう。年齢や生活環境にあわせた適切な食事を与えなければ、不安やストレスにつながる恐れもあるそうですよ
もちろん、心配ならば専門家に確認を。病院は病気になったときだけでなく、予防のためのアドバイスもしてくれるところです。少し負担は必要だけど、日常的に診てもらっていれば、病気になったときにもより適切な診療が受けられるものですよ。
わたしたちに安らぎを与えてくれるワンコさんたち。彼らがストレスで参ってしまわないよう、心配りをしてあげましょうね♪
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 5 Signs Your Dog is Stressed (and How to Relieve it)
[2] フュージェバーバラ. (2010). 『ペットの自然療法事典』. ガイアブックス
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