子犬をお迎えするのは、とても心弾むことですよね。
しかし子犬は可愛らしい一方で、噛み、飛びつき、破壊行動など、子犬時代特有の行動上の問題も起こします。犬としては正常範囲ではあるものの、家庭犬としては受け入れられない行動であることも多いものです。
今回は子犬の問題行動についての対処について学びましょう。
子犬の問題行動に対処する
成長期にある子犬は、良いことも悪いこともすぐに覚えます。やってほしくない行動を抑え好ましい行動を教えるなら、子犬時代にはじめた方が良いでしょう。
・「子犬だから平気」と許してはダメ
子犬の甘噛みはたいして痛くありませんし、飛びつかれたからといって後ろに倒れることはありません。しかし、大人の犬が噛むことや、誰彼かまわず飛びついていく姿を想像してください。かわいいでは済まされない事故に発展してしまうかもしれませんよね。続けられては困るような行動は、子犬のうちにやめさせるようにしましょう。
・「遊び」 を使って良い行動を促す
遊びの中でやって良いことを教えていくこともできます。よくない行動(手をカブガブする、興奮しすぎるなど)がみられたら、一旦遊びを中止するなど、飼い主が状況をコントロールするようにしましょう。また、遊びの開始と終了の飼い主が示すことにより、指示されたときに行動を終了させるよう教えましょう。
・叱っても問題は解決しない
叱ることは根本的な問題解決にはなりません。叱られたり嫌な思いをしたら、子犬たちは家族に隠れてやりたい放題するようになるだけです。
・悪いことをしにくい環境をつくる
あまりに早く自由を与えすぎると叱ることが増えてしまい、子犬が自信を失ってしまいます。子犬を叱るかわりに、悪い行動をさせないような環境をつくりましょう。子犬の行動範囲を制限する、床にモノを置かない、排尿して良い場所を準備するなどして、やって欲しくない行動(ものを破壊する、家具を噛むなど)を制限するのです。
・子犬時代は永遠には続かない
子犬時代は永遠には続きません。子犬ならではの問題行動、たとえば膀胱が成長しきっていないための排尿の失敗、歯の生え変わり期の噛み癖、不安からの服従失禁(submissive urination)などは一般的に、成長に伴い見られなくなります。努力を尽くしても子犬がいうことを聞いてくれないとしても、問題が自然に解決することもあります。ただし「飼い主のいうことを聞く」「飼い主と共に学ぶ」「褒められることで自信をつけていく」ことは自然にできることではありません。出来ないからといって匙を投げるのではなく訓練を続け、褒める機会を増やしましょう。
子犬に多くみられる問題行動
飼い主を悩ませる子犬の問題行動には、以下のようなものがあります。
・なんでも噛み噛み
子犬は口を通して世界を探検します。目にうつるものは全て物珍しく、それがなんであるかを舐めて噛んで確認したいと思うのでしょう。また犬も3ヶ月齢ごろから歯の生え変わりがはじまります。この時期はお口に不快感があるため、これを解消するためにモノを破壊するほどしつこく強くモノを噛むことがあります。この場合、以下の原因が考えられます。
- 栄養不足、食べ物が不足
- カーペットや家具の上にこぼれた食物
- 運動不足おもちゃが足りない、退屈
- その場から出たい(ドアやケージ)
肉体的・精神的な刺激を与える、噛んで良いオモチャを与える、遊び場所を制限する、モノを片付けるなどを試してみてください。
・甘噛み(play-biting)
家族の手や足、衣服を遊びで噛むことからはじまります。子犬時代に兄弟姉妹と遊んで噛む強さをコントロールすることを学んだ犬は、一般的には人を傷つける強さでは噛みません。
強く噛まれたときは、(普段とは異なる)大きな黄色い叫び声をあげて噛まれたところから力を抜き、犬を一定時間無視しましょう。犬を構い続けると遊びだと勘違いしてしまいます。噛むのをやめて行儀よくしていたら、褒めてから遊びを再開しましょう。
十分な運動、良いオモチャ、行動の制限、パピークラスへの参加などを試してみてください。
・人への飛びつき
子犬は興奮しているとき、挨拶したいとき、あるいは要求のために人に飛びつくことがあります。あなたの匂いを嗅ぐためにも、犬はジャンプをします。人間がもっとも強い香りを放つのは生殖器と口の2つですが、犬によっては接近するために2本脚で立ち上がるかジャンプすることが必要です。
犬の訓練は、言葉にすると簡単に思えるものが多いものです。「好ましくない行動をしたら声をあげる」とか「良い行動をしたら褒める」など、誰にでも簡単にできそうに思えます。しかしこれらを正しいタイミングで適切に行うことはとても難しいものです。
可愛い子犬を迎えたら、ぜひパピークラスに参加してみてください。犬を飼うのがはじめてという方は、家にトレーナーさんを招いて家でできる訓練方法を教えてもらうのも良いでしょう。早いうちに基本を学んでおけば、その知識はあとあとになっても使えます。犬とついて学ぶことの楽しさを知り、犬と共に成長する機会があれば、愛情もより深くなるものですよ。
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