使用しているペット用製品は本当に安全?〜製品テストにより犬の安全を守る団体”Center for Pet Safety”

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ワンコと車で移動しているとき、ヒヤリとしたことはありませんか?

自分の運転ミスだけでなく、いわゆる「もらい事故」なんていうのも怖いものです。もし事故に発展して、ワンコが外に投げ出されてしまったら、あるいは、前のシートに叩きつけられてしまったら・・・。こんな想像をして、背筋を冷やしたことはありませんか?

車に乗るときは、常に「最悪の事態」を想定して、ワンコを安全な状態に置かなければなりません。クレートでの移動、あるいはハーネス(シートベルトのような役割)を装着しての移動が一般的ですよね。しかし、その製品は本当に安全なのでしょうか?何をもって「安全」と定義しているのでしょうか。

ペット製品の「安全」を見える化する団体

The Center for Pet Safety's founder, Lindsey Wolko working with Test Laboratory Engineer.

Posted by Center For Pet Safety on 2012年5月22日

 

「何をもって安全というのか」という疑問に答えようとしているのが、アメリカに本拠地を置く非営利団体、センター・フォー・ペット・セーフティー(Center for Pet Safety:CPS)です。彼らは製品の安全を「自分たちが設定した厳しい基準に到達するか否か」で表現し、これをレポートなどで発表しています。

対象となる製品は、ハーネス、クレート、ペット用キャリーなど。基準に到達するなど、彼らが「安全」とみなした製品については、製品や広告等にCPSのロゴの掲載・使用を許可しています。

最近では、米国スバルと共同で、クレートおよびペット用キャリーを対象とした大規模な製品テストを行い、詳細なレポートを公表しています。

ハーネスを装着していたのに怪我を負った愛犬

 

CPSを率いるのは、リンゼイ・ウォルコ氏(Lindsey A. Wolko)。彼女は、従来よりペット製品のアドバイザー/コンサルタントとして活躍しており、ペットの安全にも深い関心を寄せていました。

常に愛犬の安全に気を配っていた彼女は、愛犬を車に乗せるときにはクレートかハーネスを使用していました。それが安全だと思っていたからです。しかし、実際に交通事故に遭い、その信頼は裏切られてしまいます。装着していたハーネスは犬を守ってはくれず、愛犬マギーは怪我を負ってしまったのです。

If no one was monitoring product quality, how could I trust what I was buying would protect her?

–誰も製品品質をチェックしていないなら、どうやって製品の安全を信じることができるのだろう?

こう考えた彼女は、ペット用製品の品質を確認する活動に乗り出します。2011年の7月にCPSを設立し、誰も行っていなかったペット用製品の安全試験を開始したのです。

12のハーネスを会議室の机に並べて一つひとつ確認するところから始まった安全試験は、現在では独自に開発した試験用装置を使用した、総合的かつ厳しい試験に進化しています。試験の対象は国際的に認知の高い製品ばかりですので、皆さんの愛用ブランドも含まれているかもしれません。実際のテストの様子は、以下のVimeoYouTubeから動画で確認できますし、最新情報はFacebookおよびTwitterを通じて受け取ることができます。

わたしたちはなぜ、この活動をしているのか?

CPS – Why we do what we do! from Center for Pet Safety on Vimeo.

上に掲載したのは、CPSの紹介動画です。設立の経緯から、安全試験の実際の様子までわかる素晴らしいものです。動画内のキャプションを翻訳(意訳が含まれています)していますので、下に掲載しておきます。


あるところに、マギーという犬がいました。ある日、マギーは怪我をします。なんと、怪我をしたのは車の中。事故が起きたとき、マギーを守ってくれるはずのハーネスが動作しなかったのが原因です。

多くのペット用製品は、テストをされない状態、あるいは安全基準を満たされていない状態で販売されていることをご存知でしょうか?質の低い商品の使用は、可愛いペット達に怪我をさせることに繋がります。

多くのペット用製品は、リコールの対象とはなりません。安全基準がなく製品テストを行われてなければ製造メーカーには少しの責任も無いのです。残されるのは、治療費の請求書の巨大な山なのです。

センター・フォー・ペット・セイフティは、こうした状況を変えていきます。

私達は独自に試験用の装置を開発し、衝突テストを行っています(衝突テストに生きている犬は使用していません)。やってみなければ、何事もわかりませんよね。

大学の研究機関と協力して調査をすすめています。ある調査では、ペット用ライフジャケットのいくつかについて、溺れるリスクを高めることが判明しています。

私たちは製品の安全性を確かめ、この結果を公表しています。

ペットは、私たちの家族です。あなたと、私たちが力を合わせればペットの安全を守ることができます。ペットたちには私たち必要です。そして彼らが頼りにできるのは、私たちだけなのです。


ぜひ、彼らの活動の様子を確認してみてください。もし賛同するなら、サポートすることもできますよ。

活動をサポートする一つの方法は、安全基準に見合う製品を購入することです。そうすれば、ペット関連事業者が、こうした活動に積極的に参加することになるからです。もう一つ、直接的な方法は、寄付をすることです。良心的な団体のほとんどは、大きな夢を抱いていますが、小さなリソースでやりくりしていることが多いものです。

 
翻訳協力:Yoko Suto-Murphy

 
Featured image by Grigoriev Ruslan / Shutterstock

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