迷子になったり、連れ去られたりしたワンコの行方を確認するためのGPS搭載首輪は普及していますが、さらに機能を進化させた首輪が続々と紹介されています。
ペットの健康状態をモニタリングする”PetPace” & “Voyce”
例えば、PetPace社(米マサチューセッツ州バーリントン)が開発したPetPace(社名と商品名は同じ)は医療仕様で、ペットのバイタルサインが分かるというもの。さらに、痛みの徴候を示す情報まで提供してくれます。 I4Cイノベーション(バージニア州チャンティリー)が開発したVoyceは、一般消費者向けに同じような情報を提供する機能を搭載。Voyce Proは、獣医を対象にして、手術後の経過観察や慢性疾患のための薬剤処方に関する情報を送信するものです。PetPaceもVoyceも、体重8ポンド(約3.7kg)からのペットに使用でき、ペットの特定疾患をモニターします。
テストに協力した飼い主さんからも高評価を得ている模様
デトロイト郊外に住むケネス・ヘリングさんは、首輪の有効性を調べる試験の一環として、てんかんを患う5歳のワンコ、ジャックのモニターにPetPaceを使っています。「ジャックが発作を起こすと意識を失うこともあり、発作を知らせてくれるこの首輪をつけていると安心」とヘリングさんは話します。
また、マサチューセッツ州ベッドフォード在住のミシェル・サルツマンさんのワンコ、ルーカス(10)は、心臓に雑音があり、失神を起こすこともあります。サルツマンさんはPetPaceをルーカスにつけましたが、「今はお留守番させてもそれほど気にしないですむ」と、嬉しげです。
PetPaceは3年前に開発され、数千頭のワンコで試験を繰り返しました。また、Voyce Proは今年の7月に登場してから、100軒以上の動物病院と契約しています。値段は、PetPaceが150ドル、Voyceは約200ドル(2017年3月削除)だそうです(記事発表日現在)。
機能付きならでは〜バッテリー持続時間という壁
ただ、こうした機能付き首輪はバッテリーなどの問題を抱えています。どのくらいのデータを測定して送信するかによりますが、1回充電して使用できるのは2日から8週間ほど。ジャックの場合、2分ごとにバイタルを測り、送信していますが、15分ごとというものもあります。2日間しかもたないバッテリーでは、充電に2時間かかるそうです。ヘリングさんは「充電のために首輪をつけていない時が心配だ」と話しています。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] New collars monitor pets for pain, problems
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