ワンコたちにだって食べ物の好き嫌いってありますよね。キャベツが好きなコがいれば、納豆が好きなコもいる。気に入ってもらえるハズのオヤツに見向きもしないなんてこともあったりして、彼らの嗜好も様々です。
ある動物にとっての食べ物の美味しさを決める要因は多岐にわたりますが、こと犬に関しての最大の要因はニオイと味なのです。ということで今日は、犬たちの味の感じ方についてのお話です。
味刺激をどう受け取り、どう感じるか
味覚は、下の表面にある味蕾(みらい)と呼ばれる構造で受容されます。犬の味蕾の数は2千弱で、人間が持つ味蕾(ヒトでは約1万個あると言われる[2])より少ないそうです。
水に溶けた化学物質は、受容体である味蕾から受容されて味細胞を作用させます。この味細胞が興奮すると、これが中枢神経系に伝達され、最終的に大脳皮質の味覚野に送られるという流れで、私たちは味を感じます。この大まかな流れは犬も変わりがないようです。
犬たちはどのように味を感じているか
・苦味
イヌも苦味を忌避する傾向があります。動物は苦いものを毒物と認識するという説もあります。苦味への忌避感を利用したしつけ用品があるというのも納得ですね。犬の苦味が舌のどの場所で受容されているかはわかっていないそうです。
・甘味
多くのワンコは甘いものが大好き。イヌの舌にはショ糖に反応する味蕾の数が多い[3]ということが影響しているようです。単糖類、二糖類、サッカリン、その他の人工甘味料など多くの糖類が味蕾を刺激します。ただし、サッカリンについては甘味に加えて苦味もあるので、犬は拒絶反応を示すのだとか[3]。
犬は甘味を舌尖(ぜっせん)、つまり舌先で感受するそうです。だから”ペロリ”した時にすぐ「おおぉ!なんやコレまいう〜」と目の色を変えるのかな。
一方、ニャンコさんは甘味を感受しないそう。肉食動物であるネコにデザートは必要ないということでしょうか。犬たちが肉だけでなく果物や野菜などを食べて生き抜いてきた歴史が見えるようです。
・酸味
甘味の次に敏感なのが酸味への感受性。味蕾の数が2番目に多く、舌全体で受容されることがその要因です。犬によっては酸味を好むコもいるようです(ただし、レモンのように強烈な酸味は無理!)。
・塩味
塩味は甘味と同様に舌尖で受容されています。また犬たちは塩分を好まないと言われており、それは彼らの食物である肉に適量の塩分が含まれているため(余計な塩分を欲しない)と考えられているそうです。これで犬たちに食べ物を与えるとき「塩分なくて、本当に美味しいのかな?」と悩む必要は無くなりますね。
・うま味
第5番目の味覚、うま味について言及する資料は残念ながらありませんでした。スープをペロペロっとした後で「おいしゅうございますわん」と解説してくれるワンコの登場を待ちましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 林良博. (2000). イラストでみる犬学. 講談社
[2] 大辞林 第三版
[3] 日本ペット栄養学会. (2014). ペット栄養管理学テキストブック. アドスリー.
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