みなさんこんにちは! 読書犬パグのぐりです。読書の秋ですよ~ といってもまだ少し残暑、でしょうか… 早くからっとしたさわやかな天気になるといいですね。
笑顔が素敵なゴールデンレトリバー
今日は、昨年出た本で、ぜひぜひ読んでいただきたい一冊があるのでご紹介します。『下半身が動かぬセラピー犬 シャネル~緩和ケア病棟の天使たち~』(青木健:監修 国見祐治:写真 ブックマン社 2015年)です。
表紙の、ゴールデン・レトリバーの写真を見たあなたは、きっとすぐに彼女のとりこになってしまうはず。僕がそうでした。だって、すんごい笑顔なんだもの。笑っているんだよ、本当に。
彼女の名前はシャネル。もうずいぶんおばあさんなんだって。昔はドックショーに出ていたそうですが、その後彼女はセラピー犬として名古屋の掖済会病院の緩和ケア病棟に定期的に出向いています。
この本はシャネルの一人語りで進みます。シャネルには仲間がいるの。ポメラニアンのポポやミカン、チワワのユキ、そしてミニチュア・ロング・ダックスのマロン。ユキちゃんとマロンちゃんは、飼い主さんがペットホテルに預けたまま、二度と迎えに来なかった経験をしています。シャネルは、3年前に突然下半身が動かなくなってしまいました。そう、この本に出て来るセラピー犬たちは、何かしらの痛みを経験しているんだ。
だからなのかな。患者さんに寄り添う彼らのまなざしは優しいの。そして、そんな彼らを抱っこしている患者さんの表情はとてもやわらかいの。
癒されているのは患者さんだけじゃない
シャネルたちからパワーをもらっているのは、患者さんたちだけではないそうです。そう、日々患者さんと接している、お医者さんや看護師さんをはじめとする、医療従事者の方たちも、彼らと接することで癒されているんだ。そもそもこの掖済会病院のセラピー犬を招く事業は、当初は医療従事者のストレスケアのため、という目的で始められたそう。その後患者さんにも拡大されました。
この事業を最初に提案した江口さんは、患者さんたちがセラピー犬を抱っこすると、途端に表情がかわる、ということを書いています。患者さんたちの笑顔は、医療従事者にとって何よりの癒しになるそうです。ですが一方で、この病棟の医師の家田さんは
“だから逆に癪なところもあります。僕たちがどんなに言葉を尽くしても、患者さんの心に届かない想いがある。だけど犬は、何も言わないけれど、患者さんの心をつかんで離さない。特にシャネルの笑顔は、そんな力を秘めているように思います。”(「気がつけば、シャネルは緩和ケア病棟の灯台のような存在に」 家田秀明先生)
と話されています。
僕たち犬は、患者さんの身体的な痛みの治療はできません。それは人間のお医者さんたちが専門とするところでしょう。でも、心の痛みに、寄り添うことはできます。きっとシャネルをはじめとした、この病院へ通っているセラピー犬たちは、自分も痛みを経験してきた分、患者さんや医療従事者の方たちの痛みにも寄り添える力を持っているのかもしれないともいました。
一期一会を大切に…
どんな病気であれ、患者さんは大変だと思う。でも、特に緩和ケア病棟にいる患者さんは、次にシャネルたちが来たとき、会えるかどうかわからない、という状況にあります。でも、シャネルの飼い主である青木さんは、シャネルに向かってこう言います。
「明日、あの世に行くかもしれないのは、病気の人も、元気な人も、シャネルも、俺も同じだよ」(本書より)
そうなんですよね。今元気な人だって、先はどうなるか、誰にもわからない。だから、シャネルたちは一期一会だと思って、今日会えた人たちとの時間をとても大切にしているんだろうね。そんな様子が、この本からよく伝わってきます。
僕も仲間や人との出会いをもっともっと大切にしたいなって思ったよ。写真を見るだけでも癒される一冊。ぜひ手に取ってみてくださいね。
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Featured image credit 『下半身動かぬセラピー犬 シャネル ~緩和ケア病棟の天使たち~』 / amazon.co.jp
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