愛犬とのお散歩は楽しい時間。
ワンちゃんも喜び過ぎて、つい、ウンチをしてしまうこともあるかもしれませんね(「うれション」ならぬ「うれぷー」)。
日本でも問題になっているワンちゃんの「落し物」。欧米では、舗道、公園など公共の場のあちこちに「落し物」が散在しているらしく、公衆衛生問題の一つになっているようです[1][2]。
放置の量にオドロキ、その対策にもビックリ!!
ドイツのベルリンでは、毎日55トンの糞が舗道に放置されているとのこと[3](←こんな統計があることにも、びっくりですよね)。また、パリだけでも、公園管理の一環として、糞の掃除に年間600万ドルが投入されているそうで、見過ごせない問題であるのは確かです。
ヨーロッパの都市では、公衆衛生の意識を高めるため、犬の糞の始末法や道徳的な教育イベント、パンフレット配布、公園への“糞用袋ボックス”の設置など、あらゆる対策を取っていますが、改善の気配も無いという状況のようです。ある都市では、業を煮やした住民がお子様ランチの旗よろしく、糞に小さな旗を立てて「ここにころがっています」と、注意を促すブラックジョーク的な話も。ポーランドの小学校でも、「糞を見つけたら立てましょう」と、旗を配っているところもあるそうです。
迷惑を感じながらも、結局は受け入れざるをえないということでしょうか。
なんで後始末をしないの?笑えないその理由
英国で行われた調査によると、糞の後始末をすると“自己申告”した飼い主は59%、北アイルランドでは53.5%でしたが、あくまでも自己申告なので、正確なところは分かりません。
ドイツの社会学者、Matthias Gross氏が、公園に愛犬を連れて散歩に来た飼い主に対し、独自に行ったインタビュー調査で「他の場所ではなく、公園で糞をさせるのはなぜか」という質問に対し、「したいところでするのは当たり前」、「彼らにも権利がある」といった回答を返したそうです。また、「糞は自然のもの。分解して土に還る」と答えた飼い主も。
糞用袋ボックスが設置され、袋を利用する飼い主もいるのですが、糞を始末した後が問題。糞を入れた袋を木につるしていくケースが多く、その木は“Shit tree(ウンチの木)”と呼ばれる始末。ある調査で、「木に糞を入れた袋をつるしたことはあるか」との質問に、回答者の3.3%が「ある」と答えたそうです。また、糞を紙で包んでも、地面にそのまま放置してある例が英国では2010年から2011年で11%増えました。スコットランドでは、1年で71%と記録的増加を示したとのことです。
もちろん、きっちりと後始末をしている飼い主さんはいるだろうし、日本だって同様の調査をしてみたら結果に驚くことだってあるかもしれません。国が違えば受け止め方はさまざまなのでしょうが、やっぱり糞が放置されているのは気持ちのよいことではないと思います。
ちょっとくらいいいかな、という気持ちになっちゃうこともあるけれど、ワンちゃんに尊敬される飼い主さんでいるためにも、「落し物」は必ずひろって帰りましょうね♪
[1] Pooh! Why man allows his best friend to poop in public
[2] Natural waste: canine companions and the lure of inattentively pooping in public Matthias Gross Environmental Sociology Vol. 1, Iss. 1, 2015
[3] Kneist, S. 2011. “Dauerärgernis Hundekot: Haufenweise gute Tipps.” Der Tagesspiegel, June 7.
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