イヌが人の甲状腺がんを嗅ぎわけるってホント!? 的中率88%をマークしたこともあるんだって!

サイエンス・リサーチ
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イヌの嗅覚は人の100万倍とも、1億倍ともいわれます。警察犬や救助犬、麻薬犬などの活躍を見れば、なるほどと思いますが、人の癌まで嗅ぎわけてしまうというニュースには、全くびっくりです!

がん検知の訓練を受けたジャーマンシェパードのミックス犬「フランキー」が、高い確率でがんを検知するという研究結果が発表されました。フランキーは患者の尿サンプルを嗅ぎ、甲状腺がんであるか、または良性のものかを当てるというのです。

米アーカンソー大学(University of Arkansas for Medical Sciences (UAMS))の研究者チームが行った実験によれば、異なる患者34人から採取した尿サンプルのうち正しく「診断」できたのは30サンプルで、確率は88.2%というもの。これは、通常行われる甲状腺生検の診断率に、ほんの少し劣るだけというから、見事としか言いようがありません。外科病理検査によれば、15人が悪性で、19人が良性と診断されています。

現在の医療で行われている診断検査の場合、超音波で疑わしい甲状腺結節が見つかると次に穿刺細胞診を行い、腫瘍が悪性のものかどうかを見極めます。不確定な診断が出る場合も多く、不要な手術をしてしまったり、繰り返し検査を行ったりと、患者に苦痛を与えてしまいがちです。その点、イヌの嗅覚による診断が実用化されれば、非侵襲性であり、おまけに費用も安くて済みます。

研究者は、アラバマ州のAuburn University College of Veterinary Medicineと協同して、探知犬プログラムを拡大していく意向で、今後は、爆発物探知犬2匹を訓練し、甲状腺がん探知犬に仕上げていく予定だということです。ただ、探知犬の訓練には手間や費用がかかるため、病院の検査室にワンちゃんが普通にいて、匂いをかいでもらうという日が来るのは、まだ先なのかもしれません。


h/t to ScienceDaily | Scent-trained dog detects thyroid cancer in human urine samples
 
Featured image by LyudmilaKa via shutterstock

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