犬用ウォーターボウルは、動物やヒトの健康を脅かす可能性のある危険な細菌の繁殖地であることが、ハートプリー大学の研究により改めて示されました。
水のボウルに大腸菌、サルモネラ菌、MRSAが繁殖
犬の給水ボウルは、かねてより細菌繁殖の危険性が言及されていたアイテムです。かつて行われた研究では、犬の水のボウルは世帯内で4番目に汚染されたものであることが確認されており[2]、これを通じて病気が人間やペットに伝播することも示唆されています。
今回ハートプリー大学で行われた研究の目的は、ボウルの材質や洗浄頻度が、繁殖する細菌の量や種にどう影響するのかを明らかにすることにありました。
テストされたボウルの材質は、プラスチック、セラミック、およびステンレススチール。それぞれについて、使用歴(どのくらいの期間使用しているか)と洗浄の頻度が確認されました(いずれもイギリスで販売されているもの)。
結果、危険な細菌の繁殖の可能性は、プラスチックボウルでもっとも高いことが確認されました。安価なボウルについて、バクテリアが多く繁殖していたそうです。
しかし一方で、大腸菌やMRSAなどを含む命を脅かすような有害な最近は、セラミックのボウルでもっとも多く見つかったそうです。
また、使用期間の長さに伴い、細菌の量と種が増えたこともわかりました。
研究チームは、危険な細菌の感染リスクを最小限に抑えるために、適切で頻繁な洗浄を勧めています。
研究は、クロアチアで行われた第69回欧州動物科学連盟年次総会(he 69th annual meeting of the European Federation of Animal Science)で発表されました。
食器を綺麗にする〜どうやって!?
本研究では、危険な細菌がボウルで繁殖すること、そしてボウル洗浄の必要性は示されましたが、残念ながら「適した素材がなんであるか」や「適切な洗浄方法」は示さるに至っていません。
古くなりすぎたボウルは、買い替えを検討しても良いでしょうが、ちょっと古くなったからといって買い替えるというのは現実的ではないですよね。とすれば、細菌の繁殖を抑えるように、ボウルを綺麗にする習慣を取り入れるしかありません。
ここでは、細菌の増殖を防ぐうえでの、犬用のボウル(水および食事用)洗浄のアイディアを、いくつかご紹介します。
- 使用後に毎回洗う:唾液にはすばやく増殖するバクテリアが含まれています。毎食後、食器用洗剤で洗うことが理想的です
- 熱湯で消毒する:熱は細菌の繁殖を抑えるのに効果的。ぬるま湯での洗浄でも滅菌できるものもありますが、細菌の中にはサルモネラ菌などように、ぬるま湯では耐えられるものもあります
- 漂白剤を使用する:漂白剤の水溶液に約10分浸し、熱湯をかけるとさらに効果的です(少なくとも週1回[2])。Clorox獣医師はiHeartDogsで、「(漂白剤の使用を嫌う人も多いが)ペットボウルなどの消毒には漂白剤が効果的。洗剤での手洗いだけでは細菌が残るから。指示どおりに使用すると安全でコスト効率が良い」とコメントしています
- スポンジは人間用と別にする:食器洗い洗剤は私たちのものと同じものでも構いませんが、スポンジは分けるようにしましょう
- ふきんも別にする:ふきんも、人間用ではなく、犬用に特別に確保したものを使うか、使い捨てのペーパータオルなどを使用しましょう
愛犬の食器を清潔にすることは、私たちの食器をきれいにすることと同じくらい(あるいはそれ以上に!)大切なことかもしれません。食事のボウルは毎食後、水のボウルは定期的に、洗浄する習慣をつけましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Life-threatening bacteria thrives in pets’ water bowls, experts discover
[2] The Surprising (And Dangerous) Truth About Your Pet’s Bowls
[3] How to Clean Dog Bowls Effectively
Featured image creditSergey Fatin/ shutterstock