英国の犬を脅かすアラバマロット〜原因不明で予防もできない犬の病

世界の犬事情
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イギリスワンコを震撼させている犬の病、アラバマロット。高い確率で死に至ると言われる難病で、イギリスではこれまでに98匹の犬が死亡しています[2]

恐ろしいのはこの病が”謎の病”であるということ。原因、治療法についてわかっていることは、ほとんどないというのです。現在のところ日本では、病気の犬が同定されたことはなく、日本の飼い主さんが心配する必要はありません。

アラバマロットとは何か

アラバマロット(Alabama rotまたはCutaneous and renal glomerular vasculopathy (CRGV))は病気の名前。皮膚病変から腎不全に至る、致死率が高い病気です。年齢、性別、犬の品種にかかわらず罹患する可能性があり、腎不全至った場合は10匹のうち9匹が死に至ると言われています[1]

アラバマロットに見られる症状は、1980年代に米国で同定されています。皮膚病変に始まり急性腎臓障害の症状を呈するというものですが、このときはなぜかグレイハウンドだけが罹患していました。英国に飛び火したのは2012年の12月で、以来、98匹の犬が死亡し、2017年には既に15の症例が確認されています[2]

アラバマロットの症状

初期では皮膚や口の中に変化(潰瘍、びらんや咬傷)が見られるようになります。血管の中に塊(血餅)ができることで詰まりが生じ、組織の損傷を引き起こすため潰瘍が形成されるためです。症例は少ないものの、数日の内に(1〜9日)腎不全を発症する犬がおり、嘔吐や食欲減退、異常な疲労の症状を呈することがあります。この場合、かなりの確率で犬は死に至ります。

原因と対策

現在のところ、アラバマロット発症の原因はわかっていません。細菌や寄生虫など全方位での調査・研究が進められているそうです。

原因がわかっていないため、予防についての具体的なアドバイスはなく、ワクチン開発も行われていません。獣医師などは皮膚の病変や潰瘍があったら直ちに動物病院に連れていくことを推奨しています。多くの場合はアラバマロットによる病変ではないとしつつも、他のサインが現在までにわかっていないこと、迅速な治療が生存可能性を高めることなどから、早めの検査を勧めているというのが現状のようです。

過去3年間のデータでは、症例が多くなるのは11月〜5月の冬から春の期間で、季節性である可能性も示唆されています。


発症から死に至るまで1週間ほどと、とにかく信仰が早いのが特徴のアラバマロット。愛犬を喪くした飼い主は「あっとう間だった」と口を揃えます。病原は人を襲うかもしれないし、海を渡って来るかもしれないものです。とにかく早い原因の究明が待たれます。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] What is Alabama Rot? – AlabamaRot.co.uk
[2] Alabama rot: The dog disease with no cure – BBC News

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