両手を同じように使える人もいますが、多くの人は日常的に使う”利き手”があります。統計的には、人間の約90%が右利きであり10%が左利き、左利きは男性に多いそうです。
犬も”利き手”はあるのでしょうか?あるとしたら、どうやって判定するのでしょう?
利き手って、なぁに?
利き手(ききて)とは、人間の左右の手のうち、先天的に反射・動作される手のこと。Wikipediaによれば、人の利き手の発達に影響を与えると考えられるのは、脳の分業、遺伝的要因、エピジェネティック因子、出生前のホルモン曝露、出生前の前庭の非対称性、超音波など様々な説があるそうです。
体の一方の側を他方の側よりも優先的に用いることを「ラテラリティ(利き、側性化、一側優位性)」といいますが、人間と同様に多くの動物にはこのラテラリティがあるそうです。ラテラリティは脊椎動物と無脊椎動物の両方にみられるもので、神経学、生物学、遺伝学、生態学など様々な分野で研究されていますが、この現象がどのように発達したのかについての多くの部分は謎に包まれています。
犬猫にも”利き手”はあるの?
前述のとおり、人間の多くは右利きです。類人猿は、人間とよく似ていて、ほとんどのチンパンジーは右利きだと言われます。一方、霊長類以外の動物ではこうした傾向は特にありません。[1]
犬や猫にも右利き、左利きがあるとする研究はいくつもありますが、右利きが圧倒的という人間とは異なり、右利き左利きは均等に分かれているようです。1991年に行われたトルコのAtaturk大学で行われた研究によれば、猫の50%は右利き、40%は左利き、10%は両手利きでした。
性別による違いは、あまりはっきりしていません。雄の犬は左利きとするシドニー大学の研究や、雄猫は左足を多く使用する傾向があるとするウェルズ博士らの研究がありますが[2]、はっきりと「オスは左利き」と言い切れるほどではないようです。
愛犬の利き手はどっち?テストしてみよう
カリフォルニア州の獣医学センターのシュワルツ博士(Dr. Stefanie Schwartz)が開発した”利き手診断”をご紹介します。博士はこのテストについて、数日にわたり100回実行することを推奨しています。
ちなみに、シュワルツ博士によれば、ペットが脚などに痛みを感じている場合は利き手ではない脚を使うこともあるそうです。ネコの場合は”騙す”ために両脚を使うこともあるとのこと。
「100回は無理だろ!」とか「騙されたときはどうすんだ!」とかツッコミたくなりますけれど、ぜひ何回か試してみてください。”正確”にはわからないかもしれませんが、利き手の傾向はつかめます(と思います)。
・あなたのペットが右か左かどうかを判断する方法[3]
- コングなどの中におやつを入れられる知育玩具を使いましょう。犬が最初におもちゃに触れるのにどちらの足を使いますか?あるいは、中のオヤツを獲得するために、どちらをより器用に使いますか?
- 犬猫の鼻に何かを貼ってください。彼はそれを取り除くためにどちらの足を使いますか?
- ソファの下など、犬猫の手が届かない場所にオヤツを置いてみましょう。どちらの足を使って掻き出そうとしますか?
- 「お手」のとき、どちらの足を先に出しますか?あるいは、頻繁に使う足はどちらですか?
- (猫の場合)ぶら下がりオモチャを叩くため、どちらの足を使いますか?
- 何かの下にオヤツを隠したとき、障害物を動かすためにどちらの足を使いますか?
- ドアを”ノック”するのはどちらの足ですか?
「試してみたよ!」というご家族は、#inulogでSNSに投稿するか hello@woofoo.jpまでお知らせ下さい。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] I’ve always wondered: can animals be left- and right-pawed?
[2] Dog Paw Preference – Is Your Dog a “Righty” or a “Lefty”?
[3] “Is Your Pet Right-Pawed, Left-Pawed, or Ambidextrous?” | petMD
Featured image credit Lunja / Shutterstock