母犬は子犬を守るため、人間の手から逃れ続けた

動物愛護・保護
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カリフォルニア州のPinky Paws ResQは、ウッドワードさん(Krystle Woodward)が運営する小さな動物保護団体。ここに、近所をうろつく野良犬に関する複数の目撃情報が寄せられたのは今年の春先のことでした。

ウッドワードさんは忙しい活動の合間を縫って、野良犬を保護しようと努めます。しかし、何週間にもわたる努力もむなしく、ウッドワードさんは野良犬を捕まえることはできませんでした。

その間にも、団体に寄せられる野良犬に関する情報は積み上がるばかりです。50件を超える情報から、野良犬がやせ細り腹ペコで、常に食べ物を漁り続けていることがわかっていました。

ウッドワードさんらはその野良犬に”ベティ・ブープ”と名付け、懸命に探し続けました。そして何度目かの試みののち、ウッドワードさんはベティを罠にかけることに成功したのです。

ようやく保護できたとホッとしたのも束の間、病院での検査により、ベティが最近出産を終えたばかりのママであること、そして現在も乳やりの真っ最中であることがわかったのです。「(空腹の)子犬たちのことを思って、一晩中涙にくれた」というウッドワードさんは、なんとかして子犬も助けたいと思ったそうです。

子犬も助けたい。でもどうやって見つけたら良いのか。迷った末にウッドワードさんは「ベティ本人に聞いてみる」ことにしました。ベティを保護した場所まで連れて行き、スマートフォンで子犬の鳴き声を聞かせてみたのです。するとベティは声をあげながらウッドワードさんらを子犬の元へと導き始めました。

子犬を育てていた打ち捨てられた納屋まで約3.2km。子を案じる母犬は、信頼する人間たちを引き連れて、子犬の元へと急ぎました。そしてその場に到着すると、ベティは合図をするかのように人間を見上げたのです。

納屋の床の下には、10匹の子犬が母犬の帰りを待っていました。子犬は床下に戻ってきた母犬にまとわりつき、お乳を飲んだりじゃれてみたりと幸せそうです。

ベティを保護してから子犬たちを見つけるまでの時間は、わずか24時間。長い間さまよっていた犬の信頼を勝ち取るのは、時に非常に時間がかかるものです。ウッドワードさんらの気持ちが通じたのか、子を案ずる母の思いがそうさせたのかはわかりませんが、早々に人間たちを導いた母犬の行動が、無事に保護することに繋がったことは間違いありません。

ウッドワードさんは「彼女が私のことを信頼し、子犬のところに導いてくれたことは、本当に奇跡のよう」とコメントしています。

Featured image by Pinky Paws ResQ / Facebook

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