目の見えない犬と”盲導犬”の2匹の保護犬は、同じ家に引き取られましたが、その後、1匹だけ別の場所で発見されました。
目の見えない犬はダックスフントのOJ。彼を支える”盲導犬”はピットブルのブルードーザー。2匹は互いに支え合い、常に一緒にいる犬でした。
OJとブルードーザーは、4年前に以前の飼い主のもとで出会い、すぐに大親友となりました。12歳のOJの目は光を失い、盲目と言える状態でしたが、ドーザーの助けがあれば、安心してお散歩をすることもできました。
しかし、そんな2匹に不幸が襲います。飼い主がホームレスになり、2匹を養い続けることができなくなったのです。
飼い主は泣く泣く2匹を保護施設(Richmond Animal Care and Control)に預けることに同意します。施設側は、飼い主の「できれば2匹を引き離さないで欲しい」という願いとともにOJとドーザーを迎え入れ、2匹を一緒に育てられる新しい家族探しに乗り出しました。
保護施設のFacebookにはこうありました。「OJは盲目で、ドーザーの助けを必要としています。2匹の可愛らしさと優しさをシェアせずにはいられません。この完璧なペアを愛してくれるかたはいらっしゃいませんか?」
これを見た一人の女性が「自分が引き取りたい」と名乗りをあげます。彼女は複数の犬を飼った経験がある人物で、数年前には愛犬のピットブルを亡くしいました。施設所長のピータース氏は、提出された書類や面談からは、2匹を譲渡するうえでの懸念はないだろうと考えたそうです。
2匹は晴れて、新しい家族のもとへと巣立っていきました。「ずっとずっと幸せに暮らしましたとさ」という素敵な結末を迎えたと、施設のみんなは大喜びしました。
しかしそれはハッピーエンディングではなかったのです。お別れからほんの数日後、施設は盲目のOJがバージニア州の別のシェルターに保護されたという連絡を受けたのです。保護されたのはOJただひとりで、トボトボと道を歩いていたそうです。
ピータース氏ら保護施設側は、すぐに里親となった女性に聞き取りを行います。女性はの証言を総合すると、どうやら女性は保護施設との約束(2匹を一緒に育てること)を破り、OJを他人に譲渡したようでした。
里親女性の犬を愛する気持ちに嘘はなかったようですが、彼女は「2匹は一緒にいる必要があることを、完全に理解できていなかった」ようなのです。最後まで「ブルー・ドーザーを手放したくない」と希望していましたが、ピータースさんは時間をかけて女性を説得し、ドーザーを親友の元に戻れるようにしました。
2匹はふたたび保護施設の住人(犬)となりました。
そして、彼らが再会してから1ヶ月後の6月3日、施設は2匹に新たな里親が見つかったと公式に発表しました。今回の譲渡にあたっては、里親さんは2匹を一緒に育てることを約束する文書に署名もしています。2匹はこれから一緒にお散歩を楽しんだり、フカフカのベッドでゆっくりと休むことができるのです。
保護施設は、「2匹を見守ってくれた人々に感謝をする」とコメントしています。なお、一度は里親となった女性については、「ブルー・ドーザーをシェルターに戻すという正しい選択をしてくれた」と語っています。
Image byRichmond Animal Care and Control/ Flickr
盲導犬、犬グッズの店に(こっそり)ハンドラーを導く | the WOOF イヌメディア
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