犬に乳製品を与えてもいいの?〜乳糖不耐症やアレルギーのお話

食・フード
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乳製品は犬の食物不耐の主な原因です。多くの犬は牛乳やヤギの乳を飲むことができますが、乳糖不耐の症状をみせる犬も一定数います。毒になることはありませんが、与えたときに不調がみられる場合は、一旦おやすみした方が良いでしょう。

犬に乳製品を与えても大丈夫?

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image by Annie Spratt / unsplash

答えはYesでありNoでもあります。

乳製品そのものには、犬に有毒な成分は含まれていません。もちろんコーヒー牛乳や、塩分を加えたチーズなどは別ですが、乳製品そのもので中毒を起こすということはありません

しかし、乳製品を食べるとすぐにお腹を壊してしまう犬もいます。これは、犬のほとんどが乳糖不耐症であり、乳製品に含まれる乳糖をうまく消化できないために起こる症状です。乳製品は犬の食物アレルギーの一般的な誘因でもあり、毒ではないがどの犬でも安全だとはいえない食品なのです。

一方で、牛乳を食べてもヨーグルトを食べても問題なしという犬もいます。乳糖への感受性は個体によって異なるため、敏感な犬もいればそうでもない犬もいます

乳製品は、食べても特に胃腸の症状があらわれない犬になら、与えても問題はありません。ただし、高脂肪のため過剰に与えると下痢や嘔吐の原因になります。少量を適切に与えるようにしましょう。

乳糖不耐症とは何か?

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image by Skynavin / Shutterstock

不耐とは「特定の物質や薬剤に対して好ましくない応答をすること」。乳糖不耐症とは、「消化器系統で乳糖(ラクトース)の消化酵素(ラクターゼ)が減少して生じる不耐に関する諸症状のこと」です。

乳製品にはラクターゼ(乳糖)という糖質が含まれています。ラクターゼは、グルコースとガラクトースという2つの炭素で構成されているのですが、犬が牛乳を消化するためには吸収しやすい形に分解しなければなりません。ここで必要となるのが、ラクターゼと呼ばれる酵素です。

しかし、人を含むほとんどの哺乳動物は、離乳するとラクターゼの分泌が少なくなるため、次第に消化する能力が低くなっていきます。乳糖が分解できず、胃腸疾患の症状が現れるのはこのためです。

不耐の症状は、食物アレルギーと重なるところが多いため、同じ意味として使用されることは少なくありません。どちらも食物成分に反応して体に問題が起きる点は同じですが、犬の食物不耐性は食物成分に対する胃腸の感受性であり、症状が胃腸に現れることが多いものです。一方の食物アレルギーは、犬の食物成分(主にタンパク質)への抗体または免疫細胞の反応で、発疹や蕁麻疹などの皮膚症状として多く現れます

犬が乳糖不耐症かをどう判定する?

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image by Scherbinator / Shutterstock

乳製品への耐性は、犬ごとに全く異なります。ちょっとの乳製品を口にしただけで胃腸の調子を崩す犬もいれば、全く問題なく牛乳を飲み干す犬もいます。

愛犬が乳糖不耐症であるかどうかは、食べさせてみないとわかりません。もしあなたの犬がラクターゼを豊富に持っていないなら、乳製品に含まれた乳糖が結腸の水分を引き込んで下痢症状を起こしたり、結腸内の最近を発酵させて鼓腸や不快感を引き起こす恐れがあります。

乳製品を与えた後に(通常は食後12時間以内)以下のような症状が現れたときは、犬は乳糖不耐症である可能性があります。

  • 下痢
  • 鼓腸
  • お腹の音
  • しぶり(粘膜と新鮮血が便に付着することもある)
  • 腹部膨満
  • 震えや痛み

乳製品を与えるなら

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image by Kim Christensen / Shutterstock

「離乳後のほとんどの犬が乳糖不耐性」と考えると、与えない方が良いようにも思えますが、なぜだか犬はで乳製品が大好きです。チーズの匂いに目をキラキラさせる犬を見ると、与えたくなるのが飼い主心というものですよね。

ここまで乳製品と一括りにしてきましたが、製品によって含まれる乳糖の量にはかなり違いがあります。大きく異なる要因は「発酵」です。乳糖は発酵中に分解される[2]ため、発酵という段階を経た乳製品は、犬でも消化がしやすいのです。牛乳がダメでもヨーグルトやチーズなら平気でペロリする犬がいるのは、こうしたわけです。

乳製品は、タンパク質やカルシウムなどの良い供給源であり、ビタミンDやB12も含んでいます。発酵した製品であれば、善玉菌が犬の腸内環境を整えるのに一役買ってくれることも期待できます。そして、ヨーグルトやチーズは匂いも味も犬好みの食品です。食べさせても問題がないのなら、特別なトッピングとして、あるいはとっておきのご褒美として、利用しない手はありません。

とはいえ、繰り返しになりますが、乳製品は脂肪を豊富に含むため、過食は下痢や嘔吐につながります。肥満や膵炎の発症リスクを高めるものなので、常に少量を与えるように心がけましょう。また、牛乳は不耐症状が出る犬が多いので、与える場合はほんの少量を水で薄める程度にとどめて、注意して犬の様子を見守りましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Drink Milk? – American Kennel Club
[2] “乳酸菌”って、どんな菌?-分かりやすい基礎講座-(その2)

Featured image credit Ali Peterson / Flickr

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