大好きなあのコが、絶滅の危機に瀕していたなんて…。
ウェルシュ・コーギー・ペンブロークが絶滅の危機を脱した、というニュースが英メディアを賑わせています。え?そもそも絶滅しそうだったわけ?と、そこからびっくりしたのですが、コーギーファンとしてはとても嬉しいニュースです。
絶滅の危機(?)に瀕していたペンブローク
地球上からペンブロークがいなくなるわけではないのですから、「絶滅」というのは少し言い過ぎかもしれません。しかし、英国ケネルクラブ(The Kennel Club)の登録数が大きく減少し、同クラブが定める絶滅の危機が増大している犬種(the Vulnerable Native Breed、登録数が300を下回っている犬種)に指定されていたことは事実です。
2014年に新たに登録されたペンブロークはたったの274匹。人気犬種なのに、原産国なのに、女王陛下も大好きなのに、なぜそんなことになった!?と驚きは隠せません。人気凋落の原因は、断尾禁止法(2007年導入)にあると言われていました。尾を切り取る行為を禁じることで”ペンブロークらしさ”が失われたとしてブリーダーが繁殖をやめたため登録数が減ったというのです。
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Posted by OMG Animals on 2016年2月23日
このニュースに愛犬家たちは「外見なんか関係ない」「そもそも断尾なんて必要ない」と反発。そうした声の広がりが大きかったからでしょうか、015年の登録数は34%も増加したということです。未だ警戒対象(the Watch list、登録数が450を下回る)にあるとはいえ、危機を脱したと言っても差し支えなさそう。よかったですね!ちなみに、最も人気のあるのはラブラドール・レトリーバーで、その登録数は32,507匹でした。
危機を脱した犬、絶滅が懸念される犬
危機を脱した犬種のもう一つはオールド・イングリッシュ・シープドッグ。2014年の登録数は405匹でしたが、2015年は22%増加して495匹の登録となり警戒対象から外れることとなりました。オールド・イングリッシュ・シープドッグといえば、ユニークな外見が人気の大型犬。イギリス原産の犬種ではありますが、かなりお世話が大変だということで、人気に陰りが見えていたようです。
新たに警戒対象となった犬種もあります。ベドリントン・テリアは犬種史上初の警戒リスト入り、イングリッシュ・セッター、およびアイリッシュ・テリアは絶滅の危機リスト入りしたと発表されています。
ただしこれはあくまでもケネルクラブによって、純血種であると認められて登録された犬の数。血統を守ることによる遺伝的疾患が問題になる昨今、血統や登録にこだわる必要はなく、そうしたこだわりを持たない人が増えているのかもしれません。犬と人とが楽しく暮らすことができることが一番大切ですが、個性を育んできた純血種たちの姿が見られなくなるのは、少し寂しい気もします。
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