皮膚が腫れたり痒くなったり、くしゃみや鼻水に悩まされたりと、日常生活に支障をきたすアレルギーの症状。かわいい我がコが、辛い思いをしているのを見るのは本当に辛いものですよね。そんな犬パパママの気持ちをよそに、アレルギーワンコの数は年々増加傾向にあるそうです。
今日は、犬のアレルギーについてまとめてみます。どんな要因で発症するのか、発症すると犬たちはどのようなサインをだすのか、などなど。愛犬を観察する一つのきっかけになれば幸いです。
犬のアレルギー
私たち人間と同じように、多くの犬はアレルギー発症の遺伝的素因を持っています。発症の要因は、食物、埃、タバコの煙、化学物質、ストレスなど本当に様々なものがあります。
アレルギーは、慢性疾患(皮膚・目・耳の問題、便秘や下痢、慢性の分泌物、過活動や発作)の原因となっていることがあり、通常の治療で効果がない場合にはその原因がアレルギーである可能性があります。
一般的にみられるアレルギーの症状
- 肌のかゆみ→肌に赤み、湿潤(湿り気が多い)またはかさぶたができる)
- 目の充血、かゆみ、涙目
- 背中または尻尾の付け根にかゆみ→背中やお尻を擦り付ける
- 耳にかゆみ・ただれ→耳を引っ掻く
- 前脚に不快感→肉球をなめる、噛む、肉球が腫れる
- くしゃみ
- 下痢・嘔吐
- いびき(のどの炎症による気道の腫れ)
- 脱毛、かさぶた、肌の硬化
前脚で顔をこする、いわゆる「顔を洗う動作」は愛らしいものですが、もしかしたら目がかゆいのかもしれません。いつもより元気がなく、脚先を舐め続けているというのも、心配な動作です。人間のアレルギー同様に、犬のアレルギーもやっかいなもの。気になる様子がみられたら、獣医さんのアドバイスを受けてくださいね。
アレルギーの原因になり得るもの
アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)には以下のようなものがあります。敏感ワンコさんは、複数の物質に反応してしまうこともあります。症状を緩和させる最も効果的な方法は、アレルゲンを回避することですが、そのためには原因物質が何であるかを判定することが重要です。
- 花粉
- カビの胞子
- ほこり、ハウスダスト
- フケ、皮膚の老廃物
- 羽毛
- タバコの煙
- 食物(牛肉、乳製品、小麦、ラム肉、卵、鶏肉、大豆、トウモロコシなど)
- 薬
- ノミ、ダニおよびこれらの予防薬
- 香水
- 洗剤
- 布製品
- 殺虫効果のあるシャンプー
- ゴムおよびプラスチック製品
これだけの項目があがると、いつどんなキッカケでアレルギーになるかはわかりませんね。あれもダメ、これもダメと縛り付けると、飼い主さんが疲れてしまいますから、あまり神経質にならないようにしましょう!
わたしたちにできること
人間のアレルギーと同様に、犬のアレルギーの原因も、複数の要因が複雑に絡み合っていることが多いものです。原因を一つでも取り除くことができたら、症状も軽減するかもしれません。以下に、専門家ではないわたしたちにできることを挙げておきます。
- 獣医師の診断を受ける:まずはいつもの獣医師さんに相談しましょう。健康診断やアドバイスを受けると同時に、皮膚科専門獣医師(あるいはアレルギー専門病院)を訪ねる必要性についても相談し、紹介を依頼しましょう
- 食事:フードを変更した後に犬に変化・異常がみられたのなら、以前のフードに戻すことを検討しましょう。新たな食事療法を試すのは、獣医師に相談した後にすること
- 掻きむしりの緩和:一時的に掻きむしりを緩和するには、患部を少し湿らせてあげる(水で洗う)という方法があります。このほか、30分ほど運動をさせて気を紛らわせると落ち着くことがあります
- 清潔に保つ:生活空間、食器、そして犬自身を清潔に保つように気を配りましょう
- お風呂に入れすぎない:犬を清潔にしたいからといって、シャンプーのしすぎには注意です。アレルギーを含む他の皮膚疾患の原因になります
- 商品購入時にラベルを確認する:自分たちがどんな商品を購入しようとしているのか、犬(そしてあなた自身)の身体にどんな成分を入り込ませようとしているのか、ラベルを見て確認しておきましょう。あとで振り返ったときに、「もしかして、アレが原因かも」と思いつくきっかけになります
- ノミ・ダニの予防:毎年のノミ・ダニ予防はしっかりと。予防薬がアレルギーの原因になる場合もあるので、動物病院での購入をお勧めします
薬、フード、サプリメント、シャンプーなど、症状の緩和に役立つものはたくさんありますが、良かれと思って取り入れたものが他の症状を引き起こすこともあるので要注意です。心配な時は、信頼できる専門家のアドバイスを受けましょう。知識は財産になりますし、何よりも安心して自信をもって症状緩和策を練ることができますよ。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Allergies in Dogs: Symptoms and Triggers
[2] フュージェバーバラ. (2010). 『ペットの自然療法事典』. ガイアブックス.
Dealing with pet allergies http://www.weau.com/home/headlines/Dealing-with-pet-allergies-371981892.html