人間のように、犬にもフケが生じることがあります。犬が美醜の観点からフケに悩むことはありませんが、乾燥肌やアレルギーなどの原因で生じていることが多く、その場合彼らは肌に不快感をおぼえています。
フケとは何か
フケ(頭垢、雲脂)とは、角質細胞が剥がれ落ちたものであり、頭皮から発生する老廃物です。新陳代謝により角質細胞が剥がれることにより発生します。
犬のフケは通常、背中や尻尾の周囲にみられます。アレルギーや寄生虫、病気、食物感受性など様々な原因によってフケは発生します。フケが見られること自体は病気ではありませんが、目に見えてわかる大きさや量のフケが発生しているときは、身体の不調の現れであることが多く、なんらかのケアが必要です。
犬のフケの原因
人間と同様に、フケは愛犬の健康状態がよくないことを示している可能性があります。問題が長期間続く場合や、時間の経過とともに悪化する場合は、動物病院訪問を検討してください。
・アレルギー
アレルゲンは、ほこりや花粉から家庭用洗剤、特定の食品までさまざまであり、これらは時に局所的な反応を引き起こします。犬がアレルギーに伴う不快感を解消するために肌を掻き毟ると、表皮が過剰に剥がれ落ちたり、ターンオーバーが異常になることがあります。
・ツメダニ皮膚炎
ツメダニ(が皮膚に寄生することで起こる病気であり、大量のフケ(黄白色または白色)と脂っぽい被毛が特徴で、かゆみは強くありません。多くは、ダニの駆除と洗浄により症状が改善します。
・真菌および細菌の感染
皮膚上で細菌種のバランスが崩れたり、カビが急激に増殖すると、かゆみやフケが出ることがあります。
・皮膚の乾燥
皮膚が乾燥することでダメージを受け、フケが生じる状態です。乾燥地域に住んでいる場合や、乾燥する季節には、犬の皮膚が必要な潤いを奪われているかもしれません。不快感の解消のためのかきむしりが皮膚状態を悪化させ、フケ発生の原因となることがあります。
・栄養不足
健康な皮膚のためには、十分なビタミン、ミネラル、脂肪が必要です。バランスの悪い食事によっても、犬のフケは生じます。
家でできる4つのケア
フケ対策として飼い主さんができるケアは、以下の4つのものが考えられます。
1. 定期的な入浴とグルーミング
1日1回、軽くブラッシングしてあげましょう。ブラッシングは皮膚や被毛の汚れを落とし、被毛に脂を行きわたらせます。死んだ皮膚を被毛から取り除くと同時により良い血液循環を促進し、健康的な成長サイクルを助けます。
2. 食事の変更
獣医師がアレルギーや食物感受性を疑っている場合は、食生活の変更が大きく役立つでしょう。栄養が足りていないか偏りが疑われる場合は、高品質のペットフードに切り替えたり、栄養補助食品を追加することも検討しましょう。食事の変更は犬の健康に直結しますので、治療効果を求める場合は必ず、獣医師に相談してから行いましょう。
3. ストレスを緩和する
引っ越し、死別、結婚・離婚など、環境の大きな変化があった場合は、ストレスがフケの原因になっているかもしれません。ストレスを緩和するための環境整備により、顕著な改善を見せることもあります。
4. 特別なシャンプーやケア製品の利用
犬用シャンプーの中には、皮膚に潤いを与え、ふけの原因となる乾燥や刺激を緩和するように作られたものがあります。このとき、人間用のフケ対策シャンプーを使用しないように注意をしなければなりません。犬と人間では肌のpHが異なるため刺激が強く、症状を悪化させる恐れがあります。
フケや皮膚の乾燥は大きな病気ではありませんが、不快なものであることに変わりはありません。愛犬を早々に不快感から解放してあげるためにも、獣医師に相談して適切なケアを選択してあげましょう。
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