犬は、強い感情から涙を流すことはありません。犬の目が涙で潤っているのは正常な状態ですが、ホロホロと涙が流れ出るようであれば、病気の心配があります。
この記事にはこんなことが書いてあるよ!
犬の流涙症やなみだ目
犬の目にも涙管があり、涙を分泌しています。涙には、「基本的な涙」と「反射的な涙」があり、基本的な涙には、角膜を潤った状態に保ち、ホコリや細菌から目を保護する役割を持ちます。一方、反射的な涙は、異物の刺激により目の環境が刺激され、その反応として分泌されるもので、異物などを洗い流す役割があります。
健康な犬の目は、涙で覆われています。しかし、常に目が潤んで涙が溜まっている状態(なみだ目)や、目尻や目頭から涙が溢れ落ちる状態(流涙症)は、異常な状態です。
涙が多くなる原因は、(1)涙の分泌が増える場合と、(2)涙の行き場が失われた場合、(3)これらが合併している場合の3つのケースが考えられます。
涙の分泌が増える場合
アレルギーは、涙の分泌が多くなる代表的な原因です。花粉、ホコリ、フケ、煙、または食物などに花瓶に反応するため、涙が過剰に分泌されます。
逆さまつげ(眼瞼内反や睫毛乱生)や、目の周りの伸びた毛による角膜への刺激も、涙が過剰に分泌される原因になります。
角膜の傷は、涙が出るだけでなく、まばたきが多くなったり、炎症を起こす原因になります。
目の病気によっても、涙の分泌は増えます。鼻炎または副鼻腔炎、結膜炎、角膜潰瘍、緑内障などの目の病気は、涙の過剰分泌を引き起こします
犬の涙に粘り気があったり、黄色く濁っていたり血が混ざっていたら、感染症の兆候である可能性があります
涙の行き場が失われる場合
涙は、涙管で作られて眼球表面を潤したあと、目頭にある涙点に吸い込まれ、鼻涙管を通じて鼻の奥へと流れ込みます。鼻涙管がなんらかの理由で詰まってしまった場合、涙は行き場を失い、目に多くの涙を溜めたり目やにが多く出たりする状態になります。
これは鼻涙管狭窄(びるいかんきょうさく)または、鼻涙管閉塞と呼ばれる状態で、遺伝の他に炎症や異物、外傷などの要因があります。改善のためには、先天的(遺伝)の場合は手術が、後天的な場合は根本原因の治療が行われます。
流涙症になりやすい犬種
犬種に関わらず、顔周りの毛が長い犬は、なみだ目になりやすい傾向にあります。被毛の白い犬は、涙やけが目立つため、流涙症の認識が高くなるようです。
短頭種、すなわち鼻ぺちゃ犬は、流涙症になりやすい犬です。シー・ズー、ペキニーズ、マルチーズ、パグなどは、目が飛び出していることから傷がつきやすく、涙が過度に分泌される傾向にあります。また、顔面の解剖学的構造により閉塞が多く見られます
コッカースパニエル、プードル、ゴールデンやラブラドールは、他の犬種より鼻涙菅閉塞が起こりやすいと言われる犬種です
いわゆる逆さまつげ(眼瞼内反や睫毛乱生)は、ブラッドハウンド、グレート・デーン、シャー・ペイやマスティフによく見られるます。
犬が涙をポロポロ流していたら?
たまに涙を流していたり、目の周りの毛をカットしたら正常に戻ったりするのなら、おそらく心配はありません。一時的な環境からの刺激により、涙がいつもより多く分泌されたのでしょう。
しかし、長く問題が解消されない場合や、いつも涙を溜めている状態なら、獣医師に相談をしてみましょう。通常はそれほど大きな問題ではありませんが、病気である可能性もあります。獣医師と一緒に原因を探り解決のヒントをもらえば、飼い主さんも安心できますよね。
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