スーツケースに閉じ込められ捨てられたプードルのお話

ストーリー
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犬の散歩をしていたバレット氏は、奇妙な音を出す青と黒のスーツケースを発見しました。

バレット氏はその奇妙な音が動物の鳴き声であることに気づき、すぐに家に持ち帰ります。生きた動物が閉じ込められていることが明らかだったからです。

2017年5月末。カナダのブリティッシュコロンビア州リッチモンドは、この年の最高気温をマークしていました。

ハードタイプのスーツケースには、鍵が二重にかけられていました。誰かが意図的にロックし、壊さないと開けられない状態にしたことは明白でした。

バレット氏は「中にいるのが人に慣れたペット動物であることを祈りつつ」鍵の一つをこじ開け、加えて空気穴を開けるなどしながら、警察の到着を待ちます。もう一つの鍵は、プロの助け無くしては開けることができないほどに頑丈なものだったのです。

なんとかこじ開けたスーツケースの中いたのは、小さくて怯えたアプリコット色のトイプードル。糞尿にまみれ脱水症状を呈していましたが、与えたフードはしっかり平らげ、元気いっぱいに見えたそうです。

マイクロチップやIDタグなどの装着はありませんでしたが、フレンドリーで社会化されており、つい最近までグルーミングを受けていた形跡が見られました。推定6歳。その後に保護を引き受けたリッチモンド動物保護協会(RAPS)によれば、健康状態にも大きな問題はなかったそうです。

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© RAPS: Regional Animal Protection Society

なんの問題もない小さな犬。にもかかわらず、頑丈にロックされたスーツケースの中で3〜6時間ほど蒸し焼きにされ他のです。RAPSのCEO、リヒトマン氏(Eyal Lichtmann)は「残虐な行為としか言いようがない」と怒りを隠しません。「私個人の意見ですが、飼い主の間の揉め事の犠牲になったのではないかと思っています」

リッチモンド州では、動物の飼い主は誰でも、どのような理由であったとしても、RAPSに動物の譲渡しをすることができます。もちろん、終生飼育ができるに越したことはないとしながら、現実を鑑みると難しいこともあることに理解を示し「遺棄をするくらいなら、RAPSに助けを求めて欲しい」と訴えます。

可愛らしい笑顔を見せる小さな犬には、ドーナツというニックネームが付けられました。

残虐行為を行なった者が特定されれば、その人物は罪に問われることになります。一方のドーナツは、1週間ほどの準備期間を経たのちに新しい家族探しに入っています。6月初めの時点で里親候補が列をなしたということですから、今頃は元気にわんぱくに、カナダの美味しい空気をいっぱいに吸い込んでいることでしょう。

ドーナツを保護したバレット氏は、RAPSを出る前にドーナツに向けた動画を撮影し、こんなメッセージを送りました。「新しい生活が幸せをもたらすことを願います。家族に恵まれ、愛と幸せに満ちた素晴らしい犬生になりますよう」

h/t to RAPS caring for dog cruelly abandoned in suitcase | Regional Animal Protection Society

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