2015年のある日、ミシガン州に住むノーマさん(Norma Bauerschmidt)は担当医から、子宮癌であることを告げられました。
医師は続けて、手術や化学療法など治療の可能性について説明をしました。しかしノーマさんは治療に対して「ノー」を告げます。告知の2週間前に最愛の夫を亡くし、さらに遡ること1ヶ月前に唯一の肉親をも亡くしていた91歳が選んだのは、病院での治療でなくアメリカ中を旅することでした。かねてより夢見ていた冒険の旅に出ることに決めたのです。
告知から約5週間後の2015年8月24日、ノーマさんは息子のティム、義理の娘ラミー、そして彼らの犬であるリンゴ(Ringo、プードル)と共に全米を巡る旅に出ます。
彼らは1年をかけて1万3千マイル(2万キロ超)をドライブし、30州を訪れました。旅の様子はFacebookの’Driving Miss Normaページで伝えられ、多くの人が旅路を見守りました。
ティムさんとラミーさんは、この旅の前から’ノマド(遊牧民)的ライフスタイル’の実践者であり、この旅の2年前から移動型の生活をしていました。ノーマさんを加えるにあたって、彼女がゆっくりと過ごせるスペースを確保するために新しいRV車を購入して出発。その後も必要に応じて、様々に改良を加えて彼女の病気及び生活のニーズに応えていったそうです。
癌と診断される前から、骨関節症のために階段の昇り降りが困難であったというノーマさん。移動は車椅子を使用することも多かったようですが、それでも75都市での出会いを、誰よりも楽しんでいました。
プードルのリンゴは、素晴らしい旅のパートナーでした。9歳になるプードルは常にノーマさんを見守り、助け、そして時には話し相手になっていたようです。「リンゴの存在そのものが、彼女の心の安らぎになっていました」と義理の娘ラミーさん。「リンゴは、この旅に欠かせない存在でした」
非常に恥ずかしがり屋で引っ込み思案だったノーマさんでしたが、冒険心のある人だったそうです。この旅の様子を伝えたFacebookのフォロワーは42万超。行く先々で’ファン’に声をかけらる状況も、次第に楽しむようになっていったのだとか。
今年9月にこの世を去ったノーマさん。ラミーさんは、「命が尽きるまで、ノーマは生きて生きて生き続けようとしていた」と語っています。
Featured image credit Driving Miss Norma / Facebook
テキサスの犬に降る雪〜愛したことだけ覚えていてと飼い主は願う | the WOOF
アシュリーさん(Ashley Niels)が、愛犬との別れが近いことを知ったのは、いつもと同じある日のことでした。 獣医師が彼女に告げたのは、愛犬のスパンキー(Spunky、12歳)が癌に冒されているということ。そして、治療は不可能であり、早急に安楽死という選択を取りらなければ苦しむことになるということでした。