自らを傷つける犬〜遺伝性の難病に苦しむ犬はつま先を舐め続けた

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愛犬がつま先を舐め続けるのには様々な理由があります。皮膚に異常がある、異物が挟まっているなどのほか、退屈だからとかストレスを紛らわせるなど、本当に様々です。

極めて稀ながら、先天性遺伝子性疾患であるケースもあります。イギリスに住むコッカー・スパニエルのジョージが苦しんでいる肢端切断症候群もその一つです。


3歳のコッカー・スパニエルのジョージは、非常に珍しい遺伝子性疾患に苦しんでいます。肢端切断症候群(Acral mutilation syndrome(AMS)、つま先無痛症とも呼ばれる)で、末端が感覚を失うという特徴があります。ジョージは10ヶ月の時点でこれを発症し、後脚を骨が見えるほどに舐め続けるようになりました。

出血しても舐める、爪がなくなるほど噛むというジョージの行動は、初めはストレスによる影響だと考えられていました。また、もともと背骨に異常あったため、その影響でつま先舐めをするという考えもありました。しかし、一時的と思われたこの行動はしかし習慣となり、飼い主の前でも行われる様子を観て、周囲はそれらの考えに疑問を抱くようになってきました。

包帯と通院が欠かせなくなっていたジョージ。転機となったのは、ジョージのことを知る人が肢端切断症候群について掲載された雑誌を読み、それを保護者に教えたことでした。難病の可能性に思い至ったジョージの保護者は、サンプルをフランスの研究所に送り、ジョージが遺伝子性の難病であることを確認したのです。

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image by Caters New

vetbook.orgによれば、肢端切断症候群(AMS)四肢の先端を傷つけ続けるようになる遺伝的感覚神経障害。ミニチュア・シュナウザー、ジャーマン・ショートヘアード・ポインター、イングリッシュ・ポインター、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル、フレンチ・スパニエルで報告されているとの記述があります。

ジョージは日常的にエリザベスカラーの装着が必要であり、一人での留守番などは困難です。現在は里親であるローラさん(Laura Herbert)と共に暮らしていますが、彼女はジョージのためにフルタイムの仕事を諦めなければなりませんでした。「ジョージはたくさんの健康問題を抱えているので、(フルタイムの仕事は)続けることができませんでした。みんなは私のことを狂ってるって言うけれど、ジョージはとっても愛らしく、お世話をしてあげたいと思ってる」

ジョージには、病院での定期的なケアや特別な食事が必要です。血液の採取や傷ついたつま先の治療など専門的な治療やケアが必要であり、これまでにかかった治療費は1万ポンド(約137万円)にのぼります。これらの治療費は、ジョージが保護されていたレスキュー団体(English Springer Spaniel Rescue(CAESSR))と獣医師団体のWillows Veterinary Group Cockerにより賄われています。「ジョージの治療は非常に高額にのぼります。私たちの寄付が少しでも貢献になればと願います」

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