感染症対策は怠りなく〜蚊はいろいろな病気を運ぶ「空飛ぶ注射器」なんですお!

健康管理
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暑くてお出かけがあまりできない夏。

夜になってようやくお散歩ができると、ワンコ大興奮。草むら目掛けてまっしぐら!なーんてこともありますよね。

でもそれ危険。刺されると痒くて、病気も媒介する恐ろしい敵、蚊に狙われているかもしれませんよ!

蚊はいろいろな病気を運ぶ

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© Lyudmyla Kharlamova / Shutterstock

ワンコさんは、鼻や耳以外は毛皮で守られていますが、上述のとおり植え込みや草むら(あるいは、そこについているオシッコ?)が大好き。人間以上に蚊に刺される危険にさらされています。

蚊にさされると、人と同じようにかゆみを感じます。そしてご存知のとおり、フィラリア症などの感染症を運んできます。

もちろん、蚊に刺された犬がすべて感染症になるわけではなく、たとえばフィラリア症では感染能力のあるフィラリア幼虫を体内にもった蚊が刺したとき感染幼虫が犬の体内に入って感染が成立するのです。蚊の種類としてはヒトスジシマカやアカイエカ、その他十数種類いるそうです。

とはいえ、蚊が自ら名乗りでてくれるわけではないので、どの蚊がOKでどの蚊はそうでないか、わかりませんよね。基本姿勢は蚊にさされないように注意するとしたほうが良いのです。

フィラリア症

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© WOOFOO, Inc.(JKC Gazette 2015/6 を参考にWOOFOO作成)

フィラリア症は怖い病気〜最悪の場合は死に至る

フィラリア症はフィラリア(犬糸状虫)という寄生虫が犬の身体に寄生する病気で、蚊が媒介します。蚊にさされることで犬の体内に入ったフィラリアは感染幼虫から6ヶ月を経て成虫となり、心臓や肺動脈に寄生し、血液循環や内臓機能に重篤な症状を引き起こします[1]。いったん、犬や猫の体のなかに入ってしまうと、足の長さくらいまで成長するんだとか。おそろしすぎ。

成長したフィラリアは、心臓周辺の血管にたどり着き、その後数年にわたって心臓と心臓周辺の血管の中で繁殖を続けます。心臓に寄生する虫の数が増えてくると、三尖弁逆流(さんせんべんぎゃくりゅう 血液が逆流すること)、肺高血圧などが起こり腹水が貯留します。重症だと死に至ります[2]

フィラリア症からワンコを守るアレコレ

  1. フィラリアはきちんと薬を投与すれば100%防げます
  2. 一定期間、毎月1回の投薬で幼虫を駆除できます
  3. 投薬期間には地域差があります。必ず動物病院で確認してね
  4. フィラリア予防薬は要指示薬。必ず血液検査と体重測定後に処方してもらいましょう
  5. 投薬を忘れると、その期間に感染して薬で駆除することが難しくなりますよ

血液検査をせずにフィラリア薬を投与するのは、絶対にNGです。気づかないうちにフィラリアに感染している犬に予防薬を投与すると、薬の作用で死んだ虫が犬の血管に詰まり、犬が突然死することもあるそうです。毎年、必ず血液検査を受けるようにしましょう。

フィラリアの予防薬は、1回飲ませると1ヶ月ずっと効果があるものではありません。短期間で効果は失われるんだそうです。1ヶ月内にお薬を飲ませると、幼虫を確実に駆除できるから1ヶ月に1回飲ませれば良いのです。ですから、飲み忘れは感染に直結する恐れがあります。ご注意くださいね〜。

ワンコとデング熱との関係やいかに

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© WilleeCole Photography / Shutterstock

結論からいえば、デング熱は犬に感染しても発症しません

発症するのは、人と霊長類がほとんどなのだそうです。人への媒介はどうかといえば、フィラリア症などとは異なり、あまり心配しなくても良さそうです(厚生労働省)。

とはいえ、厚生労働省が出している『動物由来感染症ハンドブック』(2015年3月13日)に蚊が媒介する動物由来感染症の例としてデング熱が上がっています。デング熱を持った蚊に犬が刺されて感染し、その犬の血を吸った蚊が人を刺した場合、もしかしたら感染するかもしれません。

ワンコが感染源になるおそれがある病気

ワンコが感染源になった場合、蚊を媒介して伝播するおそれのある病気にはいかのようなものがあります。

  • 日本脳炎
  • ウエストナイル熱
  • デング熱
  • チクングニア熱

何が言いたいのかといえば、とにかく蚊に注意。刺されないように予防するのが大切なんですってことなのです。


本日のメッセージはただ一つ。蚊は怖いということです。

ワンコを守るため、そして自らの健康を守るためにも、蚊と徹底的に戦いましょう。次回は、蚊を寄せ付けない対策についてお話しします。


[1] 感染症の安全対策 | JKC Gazette 2015年6月
[2] 田中茂男. (2011). 『犬の医学』. 時事通信社. Retrieved from http://www.amazon.co.jp/犬の医学-田中-茂男/dp/4788711605

 
Featured image by chrisgandy via shutterstock

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