オンラインでのペット用薬購入には十分注意を–アメリカ食品医薬品局(FDA)は2015年12月、飼い主への注意を促すためのガイドライン”A.W.A.R.E.”を発表しました。販売サイトの多くは信頼出来るものだとする一方で、違法サイト及び違法薬の存在がペットの健康を脅かすものだとして、判断の基準を発表したものです。
そのオンライン薬局は、信用できる?
ペットの飼育はとかくお金がかかるもの。健康なペットでも、毎年のワクチン代に加え、ノミ・ダニの駆除薬代も必要です。病気や怪我なら言わずもがな。お財布への打撃は小さくありません。
そんな時に頼りたくなるのが、「格安!」「処方箋不要」「ディスカウント」の文字が躍るオンライン薬局。比較的安価であることや利便性などから、米国では日本以上に広く利用されているようです。しかし、安価なものには危険がついてまわるもの。アメリカ食品医薬品局(FDA)はオンライン薬局について「多くは信頼出来る(reputable)」としながらも、違法ストアの存在と、そこで偽造薬、期日切れ、偽造表示、正しくない製法で作られた薬が販売されている状況を憂慮しています。
ペット用薬も人間用薬と同じく、成分や製法が正しくなければ効果は期待できません。また、古い薬だったり、管理が不十分であれば、劣化などにより望む効果は得られません。さらに、用法用量が正しくなければ、ペットたちの健康を損なう恐れすらあるのです。
飼い主たちがこうした危険を避けて安全にオンライン購入を行うために、FDAが発表したのが消費者ガイドラインA.W.A.R.E.です。
獣医師に相談が基本ーA.W.A.R.E.
ガイドラインA.W.A.R.E.が強くすすめているのは、獣医師へや処方箋の提出です。ペット用薬販売の許認可はなく、処方箋薬を要するオンライン薬局は限られているようですから、これをそのまま適用するのは無理がありますが、考え方としては参考にしても良いものだと思います。
A – 獣医師への相談(Ask Your Veterinarian)
薬を与える前には、獣医師へ相談することを強く勧めています。個体の健康状態に薬が合致しているか、薬を飲ませた時に必要なケアが何であるか、投薬のタイミングがどうかなどは、専門家の診断を仰ぐべきだとしています。
W – 注意信号は出ていないか?(Watch for Red Flags)
レッドフラッグが立っていないか?つまり、どこか怪しい点がないかを確認するよう勧告しています。処方箋を必要としない、ライセンスを保持していない、質問に答えない、連絡先(住所、電話番号など)が明記されていない、セキュリティが不十分なサイトである、正規の値段から大きく離れて安価である、オーダー品でないものが届く、いつも飲んでいるものと明らかに異なるといったことが、注意信号の例として挙げられています。
A — 認定ファーマシーか?(Always Check for Pharmacy Accreditation)
しっかりとしたオンライン薬局は、the National Association of Boards of Pharmacy (NABP) の認定を取っているものだそうです。
R – 怪しいことは報告を(Report Problems and Suspicious Online Pet Pharmacies)
もし何らかの被害や不利益を被るような出来事があったら、FDAやCenter for Veterinary Medicine (CVM) に直接報告するよう呼びかけています。日本でも、他の被害を食い止めるために、何かがあったら国民生活センター等の消費者相談用窓口に連絡することをお勧めします。健康被害については、まずは獣医師さんに相談を。
E – 自ら学ぶこと(Educate Yourself about Online Pet Pharmacies)
どんなこともそうですが、自ら知ることや学ぶことが、被害を防ぐ第一歩です。店の評判だけでなく、愛するペットの状態を知ること、薬について学ぶことも、自らを守ることにつながります。
健康に関することは、獣医師に相談する。これが結局は最も安価な問題解決手段だとthe WOOFは考えます。何か事情があれば、それも併せて相談し、より良い解決方法を専門家とともに模索しましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Animal Health Literacy > Online Pet Pharmacies
Featured image credit International Fund for Animal Welfare Animal Rescue Blog / Flickr
【危険フード】アメリカ食品医薬品局(FDA)が’犬には危険な人間の食物’を発表 | the WOOF
アメリカ食品医薬品局(FDA)は今年7月、犬が食べると健康被害を被る恐れのある食べ物を 発表しました 。 犬の飼い主にとっては見慣れた食物が並ぶリストではありますが、大切なことは何度でも確認しておきたいもの。今一度、心に留めておきましょう。