ぺットと同居できるDVシェルターがNYCにオープン

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ニューヨークのブルックリンに、ペットと被害者を受け入れるDVシェルターがオープンしました。

ペットと共に暮らせるシェルターの開設は、アメリカでは少しずつですが増えてきています。被害者が家を離れられない原因の一つにペットの存在があるため、支援団体がペットの受け入れ体制を進めようと努力をしているのです。

People.comによれば、現在NYCには、ペットが同居できるDVシェルターが100以上あります。


2018年10月30日、アメリカの家庭内暴力支援サービスを提供するUrban Resource Institute(URI)が、NYCにペットと共に避難できるDVシェルターを開設しました。

2000万ドルをかけて建設された施設”PALSプレイス”は7階建。最大100人まで収容できるそう。受け入れは12月から開始しているとのことです。

「私たちURIが2013年にPeople and Animals Living Safely (PALS) プログラムを開始するまで、ペットを受け入れるDVシェルターはNYCに存在しませんでした」と語るのは、団体の代表Nathaniel Fields氏です。彼らは、ペットと共存できる施設がないことが、被害者が新たな道を模索する障害になっていると認識していました。すなわち、逃げたくてもペットを連れて行ける場所がないため、逃げることができない人たちがいるのだと考えていたのです。

「自分の安全を確保するか、ペットを置き去りにするか。この究極の選択をするべきではないのです」

そこで、URIはニューヨーク市における最初のプログラムとしてPALSをスタート。そして10月、ペット共存型のシェルターの”PALSプレイス”の開設にこぎつけたのです。

施設のすべてのスペースは、ペットに優しい建材、家具、塗料を使用しており、グルーミングステーション、ペット用の屋外プレイエリアも備えられています。動物行動学者の指導のもと、ペットの福祉を鑑みたうえで考案・設計されたということです。

URIは、”PALSプレイス”の開設にあわせて、国内の他の5つのDVシェルターについても、ペットを連れて入れるように改装したそうです。ペットを飼っている家族には、ペット用のフード、リード、おもちゃなど、必要な物品がウェルカムキットとして贈られます。

URIによると、DV被害者の50%近くがペットを置き去りにしたくないことを理由に、虐待される環境から逃げられずにいます。あまり知られていないことですが、虐待の被害者は人間だけではないのです。家庭内暴力のある世帯に住むペットの70%が、虐待などの暴力の犠牲になっています。ペットが直接の被害者となることもありますが、加害者が人間の被害者をコントロールするための”道具”として使われることもあるのです。

URIは、「ペットは家庭内暴力の隠れた犠牲者」とし、ペットも保護される存在だとしています。

一方、ペットと共に生活することは、人間の被害者が心の傷を癒すことに良い影響を与えることも期待しているようです。

「PALSプログラムは、DVを生き延びた人たちがペットと生活することを可能にするだけでなく、人々の健康と幸福感を向上させることに繋がります。研究によればペットの存在は、病気やストレス下にある人の癒しになります。また、疲労感を減らし穏やかな気持ちにする可能性があります」

アメリカ国内では、ペットフレンドリーなシェルターが少しずつ増えてきているそうです。しかし、その数はまだまだ少なく、全体の3パーセントにすぎないとのことです。

URIの目標は、PALSプログラムを通じて、DVとペットの関係についての意識を高めることにあるようです。Fields氏はこう語ります。「よりペットに優しいDVシェルターを作っていこうという運動をすすめています。他のサービスプロバイダに提供するためのツールキットを作成中です」

h/t to Pet Friendly Domestic Violence Shelter in New York City | PEOPLE.com

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