アメリカン航空ではこのほど、パピー・イン・フライト(Puppies in flight)というプログラムを開始しました。これは、飛行機に乗せる補助犬や子犬のためのトレーニング・プログラムです。
日本とは事情が違いますが、とても面白い取り組みなのでご紹介しますね〜。
飛行機で過ごす犬のストレスを減らすための訓練
航路などによっても規定は異なるのでしょうが、アメリカン航空では、犬も人間と一緒にキャビンで過ごさせることを認めているようです。
人間だって飛行機で一定時間を過ごすのは大変。ましてや、音や振動などを嫌う犬たちにとっては、大変な試練でしょう。この苦行の時間を少しでも楽に過ごせるように、シミュレータを使って訓練しますよ、というのがこのパピー・イン・フライトというプログラムです。パピーという名がついていますが、新しい家に向かう子犬や訓練を終えた補助犬、災害救助に向かう犬や、人間に付き添う盲導犬・聴導犬などを対象として想定しているようです。
補助犬たちは飛行機という恐ろしい環境下においても、おとなしく、そしてプロらしく振舞わなければなりません。また、音や振動から受けるストレスの影響も心配です。シミュレーターによる訓練で、犬たちが無事に旅を終えられるようにしてあげるというのが、プログラムの大きな目的です。
大切な乗客を安全に目的地に届ける
盲導犬・聴導犬を育成する非営利組織”Eyes Ears Nose & Paws”のカニンガム理事(Deb Cunningham, Director)によれば、「育成された補助犬たちは、6百万円から800万円超の価値がある」といいます。犬がかわいいから、可哀想だからという理由だけでなく、航空会社にとっては重要な乗客を無事に送り届けなければならないという使命感があるのでしょうね。
パピー・イン・フライトでの訓練は120回を超えるそう。犬の乗客の「しっぽ、鼻、手足」などに配慮しなければならないのだといいます。そして、最も重要な、おトイレ問題があります。この場合には、空港で介助者と一緒に入れるトイレ(日本でいうと「誰でもトイレ」みたいなやつ?)を使うか、(用を足したときに)とても念入りにきれいに掃除するのだとか。いや、ていうか、どこでするの?
アメリカン航空では、3都市で90人のボランティアの研修を行っているそうです。
いまのところ、他の乗客からの不満はなく、むしろ顔をほころばせる人が多いのだとか。ワンワンしちゃうコは少ないのでしょうね。トレーニングの賜物なのかな。
h/t to Puppies in Flight’ helps unite service dogs and their owners 翻訳:anu-ric
Featured image from ‘Puppies in Flight’ helps unite service dogs and their owners / WCNC