ロシアW杯開催都市で多くの野良犬が殺処分〜避難所設置へ舵きり

世界の犬事情
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W杯開催都市で多くの野良犬が殺されているとの訴えを受け、ロシア議会で一時的な動物シェルターを設置することが決定されました。


ビタリー・ムトコ(Vitaly Mutko)副首相は、11の開催都市の首長に対して動物シェルターの設置と、試合会場付近の動物を保護するように求めました。試合が行われる12スタジアムはモスクワ、サンクトペテルブルグなど11都市に位置しており、この地域の野良犬の数は約200万匹と報告されています。

ロシアに野良犬が多い理由についてChannel NewsAsiaは、「去勢・不妊手術を嫌う傾向が強いから」と説明しています。膨れ上がった野良犬は攻撃的であるだけでなく、多くは狂犬病など深刻な病気を抱えているため、主催者側が野生動物の”摘み取り”を命じて今回の大量殺戮へと繋がったようです。

ロシア議会でこの動きを報告したウラジーミル・ブルマトフ(Vladimir Burmatov)下院議員は「開催都市で大量の野生動物の銃撃や殺処分が行われていることが、活動家や市民から多く報告されている」とコメント。

「こんなことはやめなければ。我が国の名声は危機に瀕してしまう。我々は野にいる動物を大量殺戮するような野蛮ではないのだから。(殺処分にかける)費用を捕獲、ワクチン接種、不妊・去勢および保護に使うことは難しくない」

Newsweekは、国際的イベントのために”野良”を殺す国はロシアが初めてではないと報じています。ロシアは2014年の冬季オリンピックに先立ち、ゲストの安全を守りパブリック・イメージを維持するため、2000匹の”野良”の殺戮を計画しました。動物愛護団体などからの強い非難を受け、この計画は公式には頓挫しましたが、実際には犬殺しは継続しているとする報告もあるようです。2004年のアテネ、そして2008年の北京でもオリンピックに先立って多くの”野良”を死に追いやったと言われています。

2010年の報告によれば、モスクワに住む野良犬は35000匹。シェルターが常に満杯のロシアで、今回の”殺戮禁止命令”に効果があるかは、かなり疑問が残ると受け取られているようです。

Featured image credit Andr_Bog / Shutterstock

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