愛犬に最適なトレーニングオヤツを選ぶポイント

しつけ・トレーニング
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犬のトレーニングには積極的な強化が鍵になります。オヤツは、犬の行動に影響を与える最も効果的で便利な方法です。

良いオヤツを正しく使うことは、犬のトレーニングの重要な要素のひとつです。愛犬に最適最良のオヤツを選び、楽しく美味しくトレーニングをすすめましょう!

[icon name=”comments” class=”” unprefixed_class=””] この記事の監修者

WanByWan 三井 惇(みつい じゅん)CPDT-KA

1997年ボーダー・コリーを迎えてからドッグトレーニングの面白さを知り、ドッグダンスを始めてから、ドッグダンスを広めたいとドッグトレーニングのインストラクターになる。
現在は二頭のボーダー・コリーと共に、一般家庭の愛犬のトレーニングやドッグダンスのレッスンに携わる。本人も競技者としてオビディエンス競技やドッグダンスコンペに出没中。

この記事には、こんなことが書いてあるよ!

トレーニングにおけるオヤツの役割

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image by Martin Christopher Parker / Shutterstock

Positive Reinforcement Training(報酬を使って行動を教えたり変えたりするトレーニング)では、オヤツは良い行動に対する「報酬(reward)」の役割を果たします。

「報酬」は、訓練される犬にとって価値あるものであればどんなものでも構いませんが、多くの場合オヤツ(食べ物)が使われます。たいていの犬は食べることが大好きですし、オヤツはポケットなどに忍ばせることができて便利だからです。

犬のやる気を維持するため、犬に集中してもらうために、オヤツを使うことはひとつの良い選択肢です。どんなオヤツでも一定の役割は果たしますが、いくつかの点を考慮して選べば、トレーニングが効率よくすすめられるでしょう。

良いトレーニングオヤツってどんなもの?

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image by bullcitydogs / Flickr

どんなオヤツもトレーニング時に使用することはできますが、より効率よく行いたいなら、オヤツもしっかり選びたいものです。トレーニング用のオヤツは、「愛犬のやる気を高め、集中が長く続き、すぐに次の課題に向かうことができるもの」を選ぶとより効果的です。

1. 犬にとって価値の高いオヤツであること

愛犬が好むオヤツであるかどうかが、考慮すべき第一の事柄です。好きな食べ物を前にすれば、やる気がググーッと上がるのは、人間も犬も同じです。

2018年に発表された研究によれば、オヤツの質をよくすることは犬のパフォーマンスに良い影響を与えるのだそう[1]。ソーセージとカリカリとを比べてた場合、ソーセージを報酬にした方が犬は好成績をおさめることができた(速く走ることができた)とのこと。ちなみに量を増やすことによる影響はほとんどなかったそうです。

2. はやく食べられるものであること

愛犬のやる気を高め、興味を持続させる方法のひとつは、報酬をあたえる頻度を多くすることです。トレーニングという短い時間でたくさんのオヤツを与えるためには、犬がすばやく食べることができるものを選ぶ必要があります。

すばやく食べることができるということは、すぐに次のオヤツにありつけることを意味します。犬は興味を維持しながら、短い時間にたくさん練習することができます。食べるのに時間がかかってしまうと次のチャレンジまでに時間がかかったり、食べている間に犬の思考が止まってしまうこともあります。また全体のトレーニング時間が長くなると犬の集中が切れてしまい、十分な繰り返しが行えないために、効果が少なくなってしまいます。

3. 噛まずに呑み込める小さいもの

短時間に何回も繰り返し与えることを考えると、もともと小さいか、小さくできるオヤツであることも非常に重要です。クッキーのようにパリパリポロポロするものは、床に落ちると犬の集中を途切れさせる原因になってしまいます。超小型犬の場合は特に喉に詰まらせないように小さめにしてあげましょう。市販のオヤツなら切ることができるものを選びましょう。

4. ニオイの強いもの

いいニオイは、それだけで犬のやる気を引き出します。強いニオイを発するチーズやベーコンは、ほんの小さいものでもニオイで犬を集中させます。

5. 持ち運びしやすく扱いやすいもの

たとえば、ひとりでクレートの中でゆったり休んでいるとか、外で音がしても吠えなかったなど、日常生活の中での「良い行い」を褒めたいときってありますよね。そのときはポケットに忍ばせたオヤツが大きな効果を発揮します。

この場合のオヤツは、「ポケットに忍ばせておけるようなものである」必要があります。すなわち、水気がなく、ボロボロと崩れ落ちないようなものが理想的です。

6. 新しいもの

いつも同じオヤツを使っていると、犬も飽きてしまうことがあります。また、いつもと違う環境で行うトレーニングのときは、周囲の環境よりも刺激的なオヤツが効果をもたらします。愛犬の熱量が下がったのを感じたなら、普段のオヤツよりもっと愛犬が好むオヤツを使ってあげるのもひとつの方法です。一日のセッションの中で、違うオヤツを準備してここぞというときに使うのも、なかなか効果があるものですよ。

愛犬に最適なトレーニングオヤツを見つける

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image by Marcel Jancovic / Shutterstock

「最適なトレーニングオヤツ」は、犬ごとに異なります。愛犬のお気に入りを見つけるためには、ある程度の試行錯誤が必要です。

・体質や体調に合ったものを選ぶ

トレーニング用オヤツを選ぶときも、安全性に配慮し、犬の体質・体調に合わせることを忘れてはなりません。新しいオヤツを試すときは、同じものを数日間使ってみて、胃腸の調子を崩さないかなどしっかり観察するようにしましょう。

・カロリーオーバーに気をつける

犬にも肥満は大敵です。カロリーが高いオヤツをたくさん使えば、その分トレーニングはうまくいくかもしれませんが、同時にお腹も立派になってしまうかもしれません。

2017年に発表された調査によれば、市販の犬用オヤツには糖類を含むさまざまな未定義の成分が含まれているが、ラベルに全ては記載されていないのだそう。これは定められた量を与えたとしても、犬が1日に必要とするエネルギー量の10%(世界小動物獣医協会(WSAVA)が定めたオヤツ量のガイドライン)を超えてしまう恐れがあるのだといいます。

愛犬をぽっちゃりさんにしないためには、トレーニングオヤツのカロリーを低めのものにするか、野菜を使うなどの工夫が必要になります。犬にも安全な野菜(キュウリやサツマイモ)を試してみると良いでしょう。




犬のトレーニングに欠かせないオヤツは、そのトレーニングの内容や進め方によっても使い方が変わってきますが、最適なオヤツは愛犬のやる気と幸せ気分をアップさせます。ぜひ愛犬にぴったりのオヤツを見つけて、より楽しいトレーニングに繋げてくださいね!

最適なおやつを使っても、トレーニングの効果がうまく出ないときは、あげるタイミングなどが間違っているかもしれません。そんな時は、是非プロのアドバイスを受けて効果的なトレーニング方法をマスターしてください。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Riemer, S., Ellis, S. L., Thompson, H., & Burman, O. H. (2018). Reinforcer effectiveness in dogs—The influence of quantity and quality. Applied Animal Behaviour Science.
[2] Giada Morelli, Eleonora Fusi, Sandro Tenti, Lorenzo Serva, Giorgio Marchesini, Marianne Diez, Rebecca Ricci. Study of ingredients and nutrient composition of commercially available treats for dogs. Veterinary Record, 2017; vetrec-2017-104489 DOI: 10.1136/vr.104489

Featured image creditChristian Mueller/ shutterstock

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