イギリス政府は22日、子犬や子猫の第三者による販売を禁止する方針を発表しました。
これは、12月にメイ首相が行ったパピー・ファーム(悪質ブリーダー)撲滅宣言に繋がるもので、劣悪な飼育・繁殖環境、子犬・子猫の母犬からの早期引き離しなどの問題を改善しようという取り組みの一環です。政府は、第三者による販売という仕組みが悪質ブリーダーが跋扈する理由のひとつとみており、販売を禁止することでこれらの業者を効果的に排除することを目指しています。
イギリスでは、人気犬種をターゲットに、劣悪な環境で何百もの動物を飼育するブリーダーの存在が問題になっていました。業者は、”低コスト”で育てた人気品種を、ペットショップなどの第三者を使って出自をごまかし販売することで、多額の利益を得ていたのです。第三者販売の禁止は、”うまみ”を大きく削ぐことになるため、抑制効果が大きいと考えられているのです。
第三者による販売が規制されれば、子犬や子猫を家に迎えようとする人は、ブリーダーやリホームセンターと直接やりとりしなければなりません。ブリーダーは個人的に繁殖した子犬しか販売することができず、オンライン販売者は、ライセンス番号とペットの出身国および居住国を公開する必要があります。
マイケル・ゴーヴ環境相は、次のようにコメントしています。「第三者による販売を禁止することで、愛するペットたちが、正しい人生のスタートを切ることができます」「ペットの福祉を完全に無視するような人たちは、もう二度とこの悲惨な取引から利益を得ることは出来なくなるでしょう」
第三者による6ヶ月未満の子犬や子猫の販売禁止案は、ペット福祉に関する一連の政府改革法案に盛り込まれます。この中には、8週齢未満の子犬や子猫の販売禁止や、繁殖や販売の規制強化、動物虐待者への罰則強化(最高5年の禁固刑)も含まれる予定のようです。順調にすすめば、今年10月1日に新しい法律が施行されます。
多くの人がこの発表を歓迎していますが、一部には、「規制を動物保護関連施設にも広げるべき」という声もあります。レスキューや、リホーミングセンター設立は規制が少ないため、抜け道として使う可能性が残ってしまうからです。労働党議員のジョー・プラット氏は、レスキューセンターのうち既存ガイドラインの規制を受けているのはわずか18%だと指摘します。「衛生や倫理において、高い基準を満たしている施設は多くある」としつつ、「すべての保護関連施設が、こうした高い基準において運営されるべき」とみています(The Gardian)。
とはいえ、第三者販売の禁止が、動物福祉の改善のための重要で大きな一歩となることは間違いありません。AFPは、イギリスで第三者を介して販売されている子犬の数を、年4万〜8万匹と伝えています。
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韓国の裁判所「食用のために犬を殺すことは違法」 | the WOOF イヌメディア
韓国 富川(ブチョン)市の裁判所は4月、「食用のために犬を殺すことは違法」と判断し、市の養犬場運営業者に対して有罪判決を下しました。 動物保護団体のケア( Care )は昨年、市の養犬場運営業者を相手どり、彼らが正当な理由なく動物を殺害したこと、および建築・衛生規則に違反したことについての訴えを起こしていました。