飼い主が目の前から消えると、犬の心は傷つくのか?

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What the Fluff“チャレンジをご存知でしょうか?

SNS上で大流行りしている、飼い主が犬の前からドロンと消えて、犬を混乱させるという遊びです。

犬(猫でも良い)と大きな布さえあればできること、犬の反応がどうであれ面白くなること、動画が短くすぐに完結すること、とにかく可愛いことなど、SNS時代にピッタリのこのチャレンジ。多くの人が参加し、多くの人が楽しみました。

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ところでこの#whatthefluffチャレンジ、犬の心に傷を残してしまう危険はないのでしょうか。飼い主消滅を目にした犬が、「飼い主に見捨てられた!」「ママが死んでしまった!」と思うことはないのでしょうか。

米WebメディアのSlateが、その疑問に答えようとする記事を配信しています。今日はその記事をもとに、”What the Fluff”で起こったことを犬がどの程度理解しているかを考えてみたいと思います。

犬が「飼い主が消滅した」と思うか、「飼い主はどこかに行った(見えないけど消滅してはいない)」と思うかは、犬が対象の永続性という理解しているか否かにかかっています。

対象の永続性とは、「目の前から消えてしまった物体とは、たとえ見えなくなったとしても依然として存在しているという概念」で、人間だと2歳くらいまでに理解するとされています。

犬もどうやら対象の永続性の概念を理解しているようです。2013年、ケンタッキー大学のThomas Zentall率いる動物認知科学者チームは、 “What the Fluff”に似た骨を使った実験を行い、犬もどこかの時点で対象の永続性概念を獲得するようだと推定しました。

現在のところ犬の認知は、人間の1〜3歳の子供に相当すると考えられています。これは、人間の幼児に対して行う実験を犬に適応した場合の「できた」「できなかった」から類推したもので、たとえば犬が理解する単語数(約200語)は3歳児相当で、対象の永続性を理解するのは1〜2歳といったことを積み上げた(あるいは組み合わせた)ものです。

最近では、犬の知性や認知を人間基準のテストにより測ることは馬鹿げているという考え方もありますが、「犬が何をわかっているのか」を類推するには「人間だと何歳くらい」と表現した方がわかりやすいのは確かです。

さて、たとえば2歳半の赤ちゃんに”What the Fluff”を試したらどうなるのでしょう。パパママが消滅する非常事態が発生した場合、彼らの心の中に拭いきれない深い傷を残すことになるのでしょうか。Slateは、「まぁ、ないよね。彼らはきっと、乗り越えると思う」と結んでいます(確かに、動画の赤ちゃんはそれほど動揺していません)。

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ワンコたちはどうでしょう?もちろん、彼らの心の中で何が起こっているかはわかりません。しかし、飼い主が消えるのが極めて短時間(多くの動画は1分程度)ということを考えると、普段のお留守番の方がよほど心への負担が大きそうです。

飼い主が消えたときの犬の表情や行動は、事態を飲み込めずに困惑している犬のそれではありますが、実はそれも何に困惑しているのかはわかりません。ただ単に「飼い主、また変なことしてる」と困惑しているだけなのかもしれません。

愛犬と一緒に楽しむぶんには、特に害はなさそうです。

h/t to What the viral What the Fluff videos can tell us about canine cognition.

Featured image credit/ Flickr

犬の飼い主に流行っている「それではこれにてドロン」遊び | the WOOF イヌメディア

飼い主は犬を愛していますが、愛犬が困った表情をみることも嫌いではありません。 ということがよくわかる、SNS上で流行っている #WhatTheFluffChallenge という遊びをご紹介します。どんなものかを説明するより、見ていただいた方が早いのでまぁ見て。

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