少しの間部屋を空け、戻ってみたら部屋中に引き裂かれたティッシュが散乱…な〜んていう経験、お持ちではありませんか?
引き裂くだけならまだしも、飲み込んでしまうことすらある模様。初めて経験した時は、「なんでこんなもの食べるのぉぉぉ」と叫んでしまいそうになったものでした。
一体、なぜ彼らはティッシュを引きちぎり、お腹に収めようとするのでしょうか。今回はその謎に迫ります。
理由1:暇
「もー!暇なのよぉぉ〜!」というのが理由の一つ。犬には、とりわけ若い犬には、心身両サイドからの刺激が必要です。遊ぶものが与えられず、エネルギーを発散する先がない時にはティッシュが魅力的に映るのかもしれません。退屈からティッシュ遊びを始めるようであれば、解決方法は簡単。遊びの時間に愛犬に真剣に向き合うこと、刺激的な(!)オモチャを与えること、そしてティッシュを肉球の届かない場所にしまうのが最大の解決策です。
理由2:若者の冒険
子犬にとってはどんなモノ・コトも、新しい世界を知るための冒険です。まずは匂いを嗅いでみて、そして口に含んで探ってみます。目の前にあるのが綺麗なティッシュでも、使用済みのティッシュでも、落書きした紙でも、トイレットペーパーでも、何であってもお構い無し。ヒラヒラとした形状のティッシュや、倒すとコロコロと転がるトイレットペーパーも、好奇心を満たすために口に入れずにはいられないのかもしれません。楽しいことを求める子犬たちの肉球からペーパー類を守るためには、「仕舞う」「その場所に近づけないようにする」ことが必要です。
理由3:不安やストレス
なんらかの不安を感じた場合や、なんらかのストレス(大きな音や揺れなど)にさらされた場合に、条件反射的に近くにあるものを口に入れ、引き裂くような行動に出る犬は少なくありません。家具やカーペットを噛む行動と同じ理由で、ティッシュを噛んでいるということが考えられます。ストレッッサーとモノを口に入れる行動が結びついている場合は、ティッシュが好きということではなく、何か不安を紛らわせる対象を求めているということ。エスカレートすると自傷行為に及ぶ場合がありますし、矯正するのが非常に難しくなってしまいます。心配ならば、専門家に早めの相談を。
理由4:ハンターとしての衝動
ティッシュ(トイレットペーパー、あるいは紙)は獲物の被毛や羽のような噛みごこち。だから、口に含んだ時に、噛みちぎったり引き裂いたりしたい衝動に駆られるのだと、コレン博士(Stanley Coren)は説明しています。ティッシュの感触がハンターの血を呼び覚ます、というと言い過ぎかもしれませんが、「イヌはそれを我慢できない」という状態になってしまうのかもしれませんね。ちなみに、噛んで唾液によりウェットな状態になるとその魅力は減退し、飲み込むまでには至らないことが多いとのことです[1]。
愛犬からティッシュを守れ!
本来なら守るべきはティッシュではなく愛犬の健康なのですが、無抵抗の紙を攻撃しているのは愛犬たちです。決して高価なものではありませんが、大量に引き裂かれるのは勘弁して欲しいところですよね。
健康面への悪影響ですが、多くの場合、紙を少々お腹に入れてしまっても問題はありません。もちろん大量に口にしたとなれば消化ができず、腸に負担をかけることになります。厚みのあるペーパータオルや生理用ナプキンを飲み込んでしまった場合は手術が必要になることもあるようです。発見した場合は、獣医師さんに相談しましょう。
悪習慣を断ち切る一つの方法は、紙類に近づけないことです。しっかり仕舞う、ドアを閉める、子犬ならば行動場所を制限するなどして、物理的に口にできない環境を作りましょう。ティッシュが好きすぎるコなら、コットンやフランネル、または毛糸で作られたオモチャを選んであげると良いかもしれません。実は「ハンター気分」を噛み締めているのかもしれませんよ。噛み応えのあるオモチャしかないのなら、新しく別の快感をプレゼントしてあげましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Why Do Dogs Like to Shred Tissues? | Psychology Today
Featured image credit John Davis / Flickr
【犬の謎】なぜ犬はウンチの時にあなたを凝視するのか | the WOOF
犬の飼い主さんなら、大事な仕事(=ウンチ)を済ませる愛犬に凝視された経験をお持ちのことでしょう。 ‘その時’の表情は真剣そのもの。「やめて、見ないで」と恥ずかしがっているようにも見えない我が子。一体何を思って、こちらを凝視してくるのでしょうか。