保護犬を迎えるにあたって、男性と女性は異なるタイプの犬を選ぶのか(研究)

サイエンス・リサーチ
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チェコ共和国で行われた研究によれば、保護犬を迎え入れる際の傾向が、人間側の性別の違いによって異なるのだそうです。

論文は、Acta Veterinaria Brnoに発表されました。


研究を行ったのは、チェコ共和国第二の都市ブルノにあるthe University of Veterinary and Pharmaceutical Sciencesの研究チーム。

チームは対象保護施設の7年間(2010年1月1日から2016年12月31日まで)にわたる譲渡記録を遡及的に調査し、チェコ共和国における男性と女性の嗜好の違いを分析しました。

この結果、より多くの犬が女性により迎えられていることがわかりました(女性が52.6%、男性は47.4%)。

犬の性別について、特に嗜好の違いはみられませんでした。たとえば女性がメス犬を好むとか、女性がオス犬を好むとか、そうした傾向はみられなかったそうです。

犬のサイズについては、明らかな違いがありました。女性はより多くの小型犬を選び、男性はより多くの大型犬を選びました。中型犬に関しては男女の差はありませんでした。

犬の年齢については、女性の方がより多くのシニア犬を選んでいました。

犬の被毛の色については、茶色の犬について女性が好む傾向が、黒いマーキングをもつ犬を男性が好む傾向がみられた以外には、特に差はみられなかったということです。

犬の血統についての嗜好性(純血種か雑種か)にも、男女の差はありませんでした。ただしこれは、施設の犬のうち4分の1だけが純血種だったことも影響しているのかもしれません。

女性がシニア犬の迎え入れ傾向について研究者は「女性は特別な世話を必要とするもの(年配の犬)を含む犬を迎えても構わないと思っている」とコメント。さらに「女性が大型犬を迎え入れる可能性は低い。保護犬を迎え入れる男性の数が少ないことが、大型犬の引受先が限定的になる理由かもしれない」とも述べています。「保護施設の運営者は男性にアプローチする方法を模索するべきなのかもしれない」

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Vodičková, B., Večerek, V., & Voslářová, E. (2019). The effect of adopter’s gender on shelter dog selection preferences. Acta Veterinaria Brno, 88(1), 93-101.

Featured image creditReddogs/ shutterstock

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