犬の問題行動~その定義・原因・解決についての基本的な考え方を整理してみたよ

しつけ・トレーニング
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誰もが夢見る「幸せにあふれた」ワンコさんとの生活。

しかし残念!犬との生活は思い通りにいかないことの連続です。

楽しいことも一杯あるけれど、吠える、噛み付く、ものを破壊する、人に飛びつく、トイレを失敗するなど、飼い主からすれば「困った行動」をすることも多いもの。Webで調べて「これって、”問題行動”かも?」と不安になる新米飼い主さんも少なくないのでは?

そこで今回は、犬の”問題行動”についてまとめてみます。

犬の問題行動ってどんなもの?

圧倒的に多いのは、動物としては正常な行動であるが、それをされては飼い主が困るというものである [1]

犬の問題行動とは、それをされては飼い主が困るという行動です。周りの人が困るから、結果として飼い主が困るという行動も含まれます。

たとえば咆哮問題(ここでは比較的大きな声で鳴く行為と定義します)もそのひとつ。一軒家で隣とも距離があるケースではあまり問題とされませんが、集合住宅に住んでいる場合には状況が異なり、飼い主にとっては大変な問題行動となります。つまり、同じ吠えるという行為でも飼い主の解釈次第で、問題行動と見なすか見なさないかが変わってきます。

問題行動の大半は、脳や神経の異常によって起こるものではなく、また神経症や不安によるなど一部のものを除いては病的な行動ではありません[1]

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(c) Jeroen van den Broek / shutterstock

イラストでみる犬学』では、問題行動を以下のように分類しています。

  • 攻撃行動
  • マーキングによる不適切な排尿(トイレ以外の場所で排尿)
  • 不適切な性行動(来客の足にマウントする)
  • 常同行動・強制行動(自分の尾を追いかけて回る)
  • 自己傷害的行動
  • 雷恐怖症(雷の音を極端に怖がる)
  • 分離不安(飼い主の留守中に限って高い確率で起こる困った行動)

問題行動の原因は遺伝と生後の環境なんだって

問題行動の原因を特定するのは、非常に難しいものです。

オーストリアの学者エーベルハルト・トルムラーは、著書である『犬の行動学』(中央公論社, 1996)の中でこう語っています。

私たちが見ている成犬は、親から受け継いだ遺伝と、生後の環境のふたつの要素から作り上げられたものです。このふたつの要素のいずれが重要ということはできず、非常に良い遺伝をもって生まれても、生後の環境がよくなければ、そのよさは失われてしまいますし、反対にいくらよい環境で注意深く育てても、悪い遺伝を消し去ることはできません

犬の行動の原因は、遺伝と生後の環境が複雑に絡み合っているうえ、個体差があるため一概にいうことはできません。とはいえ、一緒に暮らしていくためには、なんとか問題を解決したいものですよね。

問題行動解決に向けて飼い主さんがやるべき4つのこと

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(c) dogboxstudio / shutterstock

まず、疑ってみるべきは、「健康に問題がないか」ということと、「犬を不適切な環境に置いていないか」ということです。

1. 健康に問題がないかを確認しよう

「ぎゃー!それ、問題行動だよ!ダメダメ」って怒る前に、ちょっとひと息ついてみて、行為そのものではなく、可愛いワンコさんに目を向けてあげてください。もしかしたらその行動、身体の調子が悪いとか、どこかの部位が痛いことが原因なのかもしれません。気になるときは、まず獣医さんに相談するよう心掛けてください。

2. 問題を発生させるような「環境」でないかを考えよう

健康への懸念が払しょくできたら、ワンコさんの飼育環境を見直してみましょう。問題とされている行動は、現在の飼育環境に反応しているだけかもしれません。たとえば玄関の靴を噛んで困っているケースでは、噛んで良いオモチャを与えるというのも、立派な環境の変更にあたります。

3. うちのワンコはどんな性質をもっているの?

そもそも犬は、群れで生活し、協力して獲物を捕り、子育てをしてきた動物です。しかし、人間と生活するようになって、多くの犬は仲間と離れ、やるべき仕事を失いました。エネルギッシュな犬であれば、体力を持て余してクッションの中身を引っ張りだしたとしても不思議ではありません。もう一度、犬種の特性や気質を確認して、ワンコさんが満足するような環境を提供しているか振り返ってみましょう。

4. 本当に困ったときは専門家に相談を

人間同士でも心を通わせるのが困難なときもあるのですから、ワンコさんの気持ちをわかってあげられないのも普通のことです。「自分は悪い飼い主だ」「このコは悪い犬だ」と決めつける前に、専門家に相談をしてみましょう。問題行動の治療には、環境の変更のほかに「ホルモン治療」「行動療法」ならびに「薬物療法」があり、適切に行えば問題を解決できる可能性も高くなります。


繰り返しになりますが、問題行動とひとくちに言っても、その原因は様々な要素が複雑に絡み合っているものです。この犬に有効だったからウチのコだって、という考え方はちょっと危険かもしれません。

成犬になって発現する困った行動も、元をたどれば幼犬期を過ごした環境によって発生した行動かもしれません。ひとりで悩んだりせず、かかりつけの病院などで相談してみるのが、問題解決の第一歩になることと思います。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] イラストでみる犬学

Featured image from blambca / Shutterstock

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