カリフォルニアに居住のマレンマ・シープドッグに17匹の子犬が産まれたぞ、というニュースが話題になっています。この偉業を成し遂げたのは、Napa Grass Farmerにお住いのステラさん(Stella, 3歳)。この犬種のワンコが一回のお産で17匹出産するのは、カリフォルニア州では初めてとのことです。
さてここで疑問です。ワンコたちは一回の分娩で何匹のパピーを出産するんでしょう?
”犬の”一回のお産〜平均は6〜10匹
犬種や犬のサイズなどを考慮せず”犬の”一回のお産とした場合、平均6〜10匹を産むそうです[1]。もちろん6匹より少ない場合も、10匹以上を産むこともあります。
何匹産むのかは犬のサイズに依存する
一般的には、サイズの大きい犬は同腹の仔の数が多く、サイズの小さな犬は少ない数の仔を産みます。身体のサイズが大きいと子宮も大きく、たくさんの仔を体内で育てることができるという要素が大きく影響するようです。
仔犬のサイズに大きな違いはない
Posted by Napa Grass Farmer on 2016年3月1日
出産時の仔犬のサイズは、犬種によって大きくは違いがないそうです[2]。犬種が違っていても、1匹の体重は概ね数十グラムから数百グラムのレンジに収まるそうで、成犬ほどの差異はないとのこと。そう考えると、トイドッグが2〜3匹しか産めないけれど、バーニーズ・マウンテン・ドッグが20匹も産める(もちろん多産の時ですよ〜)、というのは納得できちゃいますね。
母犬の年齢や出産経験によっても差がある
初産のとき、あるいは母犬の出産年齢が高くなると、一回に出産する仔の数は少なくなるそうです。また、妊娠時の母犬の置かれた環境によっても差が出るそうです。適切なケアが施された場合は仔の数が多くなり、不適切な時は少なくなることもあるとのこと[3]。
犬種ごとの出産のお話
アメリカン・ケネル・クラブ(AKC: American Kennel Club)による15犬種の728,271リッター(一胎:一回のお産で産まれる仔)を対象とした調査の概要をまとめておきます。
- ラブラドール・レトリーバーの平均は7.6匹(5-10匹)
- ジャーマン・シェパードの平均は6.6匹(4-9匹)
- アメリカン・コッカー・スパニエルの平均は5匹(3-7匹)
- シェットランド・シープドッグの平均は4.3匹(2-6匹)
- ヨークシャー・テリア及びチワワの平均は3.3匹(2-5匹)
ギネス記録はナポリタン・マスティフの24匹!
ギネス世界記録によれば、一回のお産で産まれた仔犬の数の記録は、ナポリタン・マスティフのティア(Tia)による24匹。帝王切開によるお産で、9匹の女のコと15匹の男のコでした(1匹は死産、また初めの週に3匹が死亡)。ちなみにお父さん犬の名前はシーザー(Caesar)。
ブリュッセル・グリフォンは平均1匹しか産まない
ブリュッセル・グリフォンは非常にブリーディングが難しい犬種。妊娠しにくいことや、子犬の頭部が大きいことで難産になりやすく、偽妊娠もよく起こるのだそうです。また妊娠できても一胎あたりの仔犬数は1〜2匹(平均1匹)なので、出産時も出産後の非常に丁寧なケアが必要なのだと言います[4]。知識も経験もあるブリーダーさんを選ぶ必要がありそうですね。
[1] Canine-Spay-FAQs.pdf
[2] How Many Puppies Will My Dog Have – Pet Yak
[3] Pregnancy | Cynologist
[4] 自然分娩を許されないレア小型犬、ブリュッセル・グリフォン : けだまとお茶会 ~命を買わない生き方~
Featured image from PHB.cz (Richard Semik) / Shutterstock