ワンコにも正義の蹄鉄が下される!? 英国では被害者に面通しされた容疑犬がいるんだとか

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‘Identity parade’なる英語をご存知ですか?

犯罪被害者や目撃者に容疑者を推定させるための面通しのことなんだとか。刑事ドラマなどで、「あ、あの左から2番目のヒトです!」とかいうアレですね。ちなみに’identity parade’はイギリス英語で、アメリカ英語では’police lineup’と言うそうです。まあ、ここでは本筋じゃないんですけど。

なんと、イギリスでは面通しをさせられた容疑犬がいたんだとか。ワンコさんも「オレ、イヌだし。捕まらないし」とか油断してはいられませんねー。


傷害の容疑で逮捕されたのは、年齢不詳のボーダーコリー、ネル(Nell)。調べによれば、この4本脚でフサフサな尻尾を持つ容疑犬は、ウェールズ西武にある街アベリストウィス(Aberystwyth)に住む17歳の女性の脚を、正当な理由なく噛んだ疑いが持たれています。

警察は、容疑犬特定のために犬の面通しを行い、被害者が最終的に「2匹のうちのより大きな犬」と特定したことで、ネルの犯行であると逮捕に踏み切ったそうです。

若干、冗談のようなこのお話。飼い主に賠償金が発生すると聞けば、笑ってもいられないところです。飼い主であるデイビス氏は、裁判で有罪を言い渡され、400ポンド(約7万8千円, 1£=195)の罰金と200ポンド(約3万9千円 , 1£=195)の賠償金の支払いを命じられました。

なんでもネルおよび同居犬のレックスは、以前よりデイビス氏の敷地から抜け出し、車を追いかけたり、タイヤを噛んだりした前科があった模様。被害者は、いつもの帰宅道であるデイビス氏の敷地横の道路を通っていたところ、ボーダーコリーと小型の同居犬が飛び出してきて突然咬まれたそうです。この攻撃により痣と腫れを負った被害者は、身体の傷だけでなく「いつもの道を通ることに恐怖を感じる」と心にも傷を負ったことを訴えたといいます。
 

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from the top of Constitution Hill, near Aberystwyth in Wales, UK. (c) Tony Brindley / shutterstock

飼い主であるデイビス氏は、ネルとレックスは服従訓練を受けていること、今まで一度も攻撃的な素振りすら見せたことがないと主張。また、弁護士は、ネルがデイビズ一家と暮らしていた5年の間に、一度も問題は起こさなかったと弁論しました。しかし、敷地の囲いには複数の隙間があったことから、犬の管理と制御が十分でなかったと判断され、判決に至ったということです。

裁判所はデイビス氏に自身の敷地の囲いの修繕と、犬を制御することを命じました。裁判費用とあわせ、この判決によるデイビス氏の支払義務は総額725£(約14万千円, 1£=195)にのぼったそうです。


ネルのその後はといえば、なんでも元にいた保護施設に送り返されたのだそうです。真実がどうであるかはわかりませんが、飼い主さんがもっとしっかり目配りしてあげていたら一家と一緒に幸せに暮らせただろうに、と残念でなりません。しっかりリハビリして、新たな良い家族との出会いがあるよう祈るばかりです。

それにしても、たとえばアイキャッチの写真のようだったとしたら、見分けがつくのだろうかという疑問は拭えません。どうなんでしょうね。
 
h/t to Ruff justice: Police hold DOG identity parade so bite victim can point out her assailant – Mirror Online

 
Featured image by Ksenia Raykova via shutterstock

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