犬たちは私たちの言葉を話しません。でも、彼らなりの方法で、様々なことを伝えようとします。
大切な「おとうと」が危険な状態にあると伝え、「おとうと」を救ったワンコがいます。ちょっと古いですが、2013年のニュースからそんなヒーロー犬のお話をピックアップしてみました。
※ トップの写真はイメージで、記事とは関係ないけど可愛いでしょ?
愛犬が両親に虐待があることを訴えた
ジョーダン一家の最も若い一員であるフィンくん(Finn Jordan、当時7ヶ月、ニンゲン)を救ったのは、サウスカロライナ州チャールストンに住むキリアン(Killian、ラブラドール・レトリーバーとジャーマン・シェパードのミックス犬)。
ベビーシッターのカーン(Alexis Khan)のフィンくんに対する虐待を両親(ジョーダン夫妻)に訴え、虐待者から大切な「おとうと」を救出したのです。
キリアンは、ベビーシッターに敵意の感情をむき出しにし、フィンくんと彼女の間に割って入るなど「赤ちゃんを守るような行動」をとりました。普段は穏やかで、多くの人に優しく接するワンコであるキリアン。夫妻はこの「おかしな態度」に疑念を抱きます。
夫妻は、留守中の様子をiPhoneに録音。ベビーシッターの口頭および肉体的な虐待が、この録音データにより白日のもとに晒されることになりました。
その後、ベビーシッターのカーンは裁判で有罪であるとして、実刑判決を受けました。釈放後は、幼児虐待者として登録されるそうです。
「こいつが、おとうとを、いじめてます!」
虐待の目撃者キリアンは、懸命にフィンくんを守ろうとしたようです。
カーンが家に入ろうとすれば唸り声をあげ、赤ちゃんを守るようにカーンとフィン君の間に立っていたそうです。「ベビーシッターを雇って5ヶ月たったころ、キリアンがドアのそばで息子を守ろうとしていることに気づきました」と、おとうさんであるベンジャミン氏は述懐しました。「キリアンは彼女に対してとても攻撃的でした。飛びかかろうとするのを強く抑えつけなければならない時があったほどです」
録音したiPhoneには、ののしり声や引っ叩く音、さらにはフィンくんの泣き声までもが残されていました。泣き声は、驚きのそれから痛みを訴える大声にかわったのだといいます。また、フィンくんが激しく揺さぶられていることが推察される音も確認されたといいます。日本でも「揺さぶりによる死亡」が大きく話題になりましたが、赤ちゃんを揺さぶることは、最悪の場合には死亡に至る大変危険な行為です。
もしキリアンがいなかったら、フィンくんはベビーシッターのために命を落としていたかもしれないと思ったと、ジョーダン夫妻は語りました。
ジョーダン夫妻は、ベビーシッターを雇い入れる際の調査や手続きは、きちんと行っていたそうです。そうだとしても、こういう事故・事件が起こってしまうというのは、非常に残念で恐ろしいことだと想います。
この事件が示唆するメッセージはとにかく、「犬がいつもと違っていたら、何が起こっていると疑うべき」というですよね。具合が悪いのかもしれませんし、何か悪いことが進行しているのかもしれません。しっかりと「犬の声」に耳をすませなければならない、そんなことを感じさせられたニュースでした。
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