家の玄関に訪ねてきた生後間もない子猫を、その家の犬が引き取ってお乳をあげるようになったと言う心暖まるお話。アメリカはアラバマ州のニュースです。
うちの玄関口に子猫がいる!
まだ目も開いて間もない子猫が玄関口に訪ねてきたら、あなたならどうしますか?
仮に犬を飼っているけれど、猫のことはわからない。しかも、産まれたばかりと見てわかるほど、小さくて頼りない…。私ならきっと、呆然として手が出せないのではないかと想像します。
アラバマ州に住むリシェルさん(Nic Richelle)も、玄関口に生後8日と推定される子猫を見つけた時は、どうしたら良いのかがさっぱり分からなかったそうです。でも、リシェルさんの愛犬、ニッキー(Nikki、アメリカン・ピット・ブル・テリア)には、すべきことは明確でした。皆が落ち着くのを待って子猫に近づき、傍に横たわって授乳を始めたのです。
代理母は想像妊娠中のピットブル
実はニッキーは現在、偽妊娠(いわゆる想像妊娠)中。犬にも想像妊娠があるの!?と驚いた方も多いかと思いますが、ありますあるんです。犬だけでなく多胎種の多くの種において、偽妊娠はみられます。乳房や腹部の膨らみが始まると、様々な母性行動が始まります。中には陣痛に似た腹部の緊縮を起こすコや、ぬいぐるみを子供と思い込み授乳行動を始めるなどの複雑な母性行動を示すコもいるそうです。
偽妊娠は人間の場合には、精神的なものに体が影響を受けることもあると言われていますが、犬を始めとした動物の場合は母性本能による種の保存という意義があるのではないかと推察されています。偽妊娠によって起こる母性本能が、授乳を助ける行動に結びつき子供の生存に貢献するためだと考えられているのだそうです。
個体によっては乳汁分泌が起こるほど乳腺が発達することもある偽妊娠。お乳を求める子猫が訪ねてくるタイミングとしては、ぴったりだったと言えるでしょうね。ニッキーは自分で産んだ子供のように、お乳をあげたりグルーミングしたりと世話を焼いたりしているのだそうです。
通常は分娩予定日のころまでに終了する偽妊娠期間で、その期間が終わると’正常’に戻るといいます。親子と認識するか、友達だと思うかはわかりませんが、この後も仲良く絆を深めていってほしいなぁと思います。
引き離すのが忍びないほどに仲良くなってしまった、似ても似つかない”親子”。飼い主のリシェルさんは、子猫にサンディと名付け、一緒に暮らすことにしたそうです。
h/t to Pit Bull-Terrier Dog Takes Kitten Under Its Paw | WHNT.com
※ 使用した写真はすべてイメージ。Sara Stasiさんが撮影したSquash & Tiki(Flickr)
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