緊急事態に備えて何をすべきか、前回の『同行避難するために健康管理としつけはしっかりね!』に続き、考えてみたいと思います。
飼い主が行うべき防災対策(復習)
さてさて、飼い主さんの役割、覚えていますか?
一つ目は「同行避難」。ただ、自身の安全を確保することが最も重要であることはお忘れなく。飼い主さんが元気でいてこそ、ワンコさんだって元気に暮らせるのですから。場合によっては、「すぐに再会しようね!」と約束して、自らの安全を優先させる勇気を持つことも必要です。
そして二つ目は「災害避難時における飼育管理」です。平常時に行うべき対策として(1)住まいの防災対策、(2)ペットのしつけと健康管理、(3)ペットが迷子にならないための対策、(4)ペット用の備蓄品の確保、(5)避難所や避難ルートの確認等の準備、が挙げられていました。
どんなときでも一緒にいようね!〜ペットとの同行避難
・お住まいの自治体が定めるペットポリシーを知っておく
実際に災害が起こった時は、地域のルールに則って行動することになります。お住まい地域の行政が、避難生活になった際にペットに対してどのような決まりを定めているのか、前もって調べておきましょう。
『災害時におけるペットの救護対策ガイドライン』によって、国の指針は明確に示されたものの、実際にペットと一緒に避難できるかどうかの最終的な決定は、避難所独自に決めていくものなのです。
事前に確認していたとしても、災害時の状況によっても受け入れ可否は変わってくることと思います。最も近い避難所には一緒に行けない、あるいは一緒に避難できる受入先がないという事態も想定しておく必要があります。
・ワンコと一緒の防災訓練もあるよ
近頃のペットブームを受け、自治体によってはペット同伴での避難訓練を行っている所も増えました。地方自治体等にお問い合わを。
ペット避難訓練トレーニングを定期的に開催しているドッグフィールドMAIKOさんのページには、『愛犬同伴避難トレーニングマニュアル』が掲載されています(ページ下部よりPDFがダウンロードできます)。
「一緒に逃げる」「集団で逃げる」など、実際の状況を想定したうえでの具体的なマニュアルです。訓練の様子を写真で掲載してくださっているので、わかりやすいうえ、訓練してみようという気持ちがムクムク沸きあがる良いマニュアル。ぜひご一読を。
備えあれば憂いなし!緊急時に備えて準備すべきモノ
特にワンコ家族のための準備です。ニンゲン用は、ご自身で必要なものをご準備くださいね♪ 避難袋に準備をしておくとよいです。定期的に見直しをしましょう。
- 食事と水:7日分程度は確保しておくこと。缶きりが不要なタイプのフードが便利。水は飲料用としてだけでなく、身体を清潔にしたりするのにも使えますので余裕を持ってストックしておきましょう
- お薬・救急キット:消毒薬、簡単な絆創膏、包帯など応急処置ができるもの。持病があるコなら、いつものお薬もお忘れなく
- 迷子札・写真:普段から、迷子札をつけておくようにしましょう。また、はぐれてしまった時を想定して、犬の写真を複数枚準備しておきます。様々な角度から撮影したもので全身が写っているもの、そして飼い主さんと一緒に写っているものも用意しておきましょう
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首輪・リード・クレート:
家にいるときでも、首輪は常につけておいたほうがよいです。また、リードはサッと手に取れるように、玄関の決まった場所にかけておくなどの工夫を。クレート(キャリーバック)はワンコをしっかりと守ってくれますし、避難所生活でも役立ちます -
衛生用品:
ペットシーツ、ブラシ、うんち用バッグ、ウェットティッシュ、ペーパー類。しばらくシャンプーが出来ないことを想定して、水のいらないドライシャンプー。歯磨き用にガーゼもあるといいでしょう - 好きなおもちゃやタオル:人間以上に繊細なワンコたち。異常な事態が発生しているときは大きなストレスがかかります。大好きないつものおもちゃで安心感を与えてあげましょう。タオルなどが好きなら、それでも十分です
- 緊急時用リスト:下記ご参照ください
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その他あると便利なグッズ:
- ブランケット・服:寒いことも想定して、身体を温めるものを準備しておきましょう
- 犬用くつした:ガラスの破片が散乱する道を歩くときにワンコの肉球を守ります
- ミニライト:電気が止まり、街灯がつかない時のために。携帯などでもよいですね
- 迷子のポスター:はぐれてしまったときに、すぐに対応できます
- ガムテープ:破損したキャリーの補修、抜け毛のお掃除、色んなことに活用できます
緊急時用リストを作ろう
緊急時に必要な情報をまとめたリストをつくっておきましょう。紙のものを準備しておくことがポイントです。電子情報に頼っていると、停電などのときに使用できなくなるおそれがあります。
- かかりつけの動物病院名|電話番号|お医者さんの名前
- 地元の保健所・自治体の動物担当部署・警察の住所|電話番号
- ペットホテル・ボランティア団体の連絡先(同行避難できないときのために)
- 被災地から遠い場所に住んでいる親戚の連絡先
- ワンコの基本情報(鑑札登録番号|マイクロチップ番号)
- ワンコの健康情報(予防接種記録、既往症など、預ける場合に伝えておくべき情報)
いつ、「そのとき」が来ても、すぐに動けるように。心構えだけでなく、非常用袋の準備、避難経路の確認、そして「そのとき」にどう動くかを想定して練習してみること。一度やってみれば、自分たちに必要な準備がさらにわかるハズ。
大好きなワンコの手を離さないように、少しずつでも準備をすすめておきましょう。
Featured image by Somjin Klong-ugkara / Shutterstock.com“>